当時のスポーツカーの最高峰だって、トラブルはつきもの
1980年代中盤から約10年間、F1が日本で大流行したきっかけはホンダのF1参戦第2期での活躍だったことはいうまでもありません。そんなホンダF1の黄金期に世界にその技術力をPRすべく開発され、和製スーパーカーと呼ばれたのが初代「NSX」でした。登場からすでに34年。ネオクラシックと呼ばれるジャンルに足を踏み入れた当時の最新スーパースポーツカーを現実的に楽しむための秘訣を、“shinchiyan3740”さんから教えてもらいました。
トラブルとの上手な付き合い方こそ、旧車オーナーになる極意
リトラクタブルヘッドライトを持つ国産スポーツカーの最高峰といえば、ホンダ「NSX」と言っても過言ではないだろう。2024年5月4日に福岡県北九州市にあるひびき海の公園で開催された「RETRA JAM(リトラクタブルカージャンボリー)Vol.2」に参加していたNSXの中でも、鈴鹿サーキットでの写真など、愛あふれる展示をされていたオーナーが“shinchiyan3740”さんだった。
愛車との思い出話をお聞きしている途中で盛り上がったのが、過去のトラブルにまつわるもの。その中でも驚かされたのがこんなひと言だった。
「今回は前泊で参加したのですが、昨日の道中で水温が上がってしまいました。まったく下がる気配がなく、一般道の停車可能な広い路肩を見つけて一時停車。電話口で状況を確認してくれた主治医がトラブル解消のため、この会場にパーツを持ってきて交換してくれることになっています」
その言葉に嘘偽りなく、それからほどなくして“shinchiyan3740”さんが主治医と呼ぶ長崎県長崎市のカーショップ「セントラル」が現地に到着。挨拶もそこそこにボンネットを開けると、さっそくパーツ交換をはじめたのだ。
「昨日の電話相談の際に、おそらく電動ファンのモーター不良だろうという結論になりました。たまたま主治医がこのリトラジャムに興味を持っていたこともあり、イベント視察も兼ねて対応品を持って来てくれたのです」
今回装着していた部品は、あくまでもノントラブルで帰宅するための、主治医が持ってきてくれた代替品。地元まで帰って主治医のお店セントラルに入庫したら、そこで“shinchiyan3740”さん用のパーツを注文して交換。この会場で交換した代替えパーツは返却、という段取りなのだそうだ。
ちなみに、このトラブルが起こって電話相談をした後の続きの話。渋滞解消と夕暮れを待つために結局2時間30分その場で待機。その後、水温計とにらめっこしながらホテルへ移動。翌イベント当日の朝も、気温が上がる前に早々と会場入りして、搬入時間が来るのを待っていたそう。しかし、そんな苦労を乗り越えながらもこの愛車を大切に、かつ乗って楽しむことを忘れない“shinchiyan3740”さんの心意気が、とても頼もしく見えた。
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