アメリカでも爆発的なヒット
トヨタが北米で自動車の販売を始めたのは、トヨタモーターセールスUSAが設立された1957年以降のことで、1958年にはクラウンが287台、そして1台のFJ20(ランドクルーザー)が販売されたという。この初期のFJ20はアメリカで大した評判を得ることができなかったのだが、これがFJ40の導入と同時に爆発的なヒットとなり1960年〜1965年までは北米におけるトヨタのベストセラーとなった。
2F型と呼ばれる4.2L 135psのエンジンがデビューするのは1975年のこと。24年間での改良は枚挙に暇がない。興味深いのは1968年にブラジルでFJ40の生産が「バンデイランテ」という名称で始まったそうだが、この時に搭載されたエンジンはF型ではなくメルセデス製のディーゼルだったという。
観音開きのリアドアが北米モデルで追加されたのは1975年のこと。それ以前はいわゆるリフトゲートであった。1976年にはフロントにディスクブレーキが採用される。そして1979年にはパワーステアリングとエアコンがオプション設定された。これらの改良年次は全て北米仕様のもので、日本仕様とは異なる可能性がある。
さて今回紹介するFJ40は1980年式というから、仕様的にもほぼ最終型と言ってよいモデル。もともとカナダのブリティッシュコロンビア州のオーナーに新車売却されたものだった。2014年に「The Dare to Dream Collection」に買い取られるまでわずか2000マイル(約3200km)しか走行しておらず、そこから全面的なフルレストアが断行されている。
その過程は全て写真とファイルに残されており、ディープオーシャンブルーと呼ばれる濃紺のボディカラーに仕上げられたこのクルマは、サスペンション、エアコン、カスタムステレオシステム、パワーステアリング、ウインチなどが一新された。エンジンはもちろん4.2L直6の2F型。これに4速のマニュアルトランスミッションがドッキングされる。
RMサザビーズが掲げたエスティメート(推定落札価格)は、8万ドル〜10万ドル(約1208万円〜1510万円)。それに対して、実際の落札価格は9万5200ドル、邦貨にして約1417万円であった。いかにFJ40ランドクルーザーの人気が根強く、高いかがわかる。