日本車好きが深夜まで盛り上がる一大イベント
ドイツで開催されたアジア車だけのイベント「Reisbrennen」を取材するため、会場を訪れた筆者。場内では日中のみならず夜もさまざまなコンテンツが用意されていました。ドイツ人をはじめとした欧州の日本車マニアたちが魅了されたイベントの模様をレポートします。
アジア食や日本のキャラクターが大人気
とてもクレージーなアジア車のイベント「Reisbrennen」の1日は長いのです。タイムアタックやサーキット走行に加えてドリフト大会やショーもあり、深夜2時まで連日続くイベントですが、大概の参加者のみなさんはサーキットでのキャンプ泊なので夜が遅くなっても問題なく、サーキットにはシャワーもあります。
日中はものすごいどしゃ降りで、ぬかるんだ地面にテントを建ててキャンプされている方々がお気の毒でしたが、夕方からはすっかり止みました。私は普段モータースポーツの仕事をしているのですが、とくにニュルやスパは雨の確率が高いこともあり、いつも愛車のトランクには長靴やレインコートなどの雨具セットを積んであるので、この日もバッチリ助かりました。
サーキットにはフードトラック村が設営され、本格的な日本食はありませんでしたが、アジア人の方が経営されている焼きそば&チャーハン屋が人気でした。いつも長い行列でお店の方が忙しそうだったので話は聞けませんでしたが、お店には「ドリキン」と日本語で書かれていてビックリ! ほかにもピザやパスタ、焼きソーセージなどがありました。私はドイツの定番カリーヴルストを購入。子ども用? と思う位の少量でしたが……。イベント価格は仕方ないとして、1つ9.50ユーロ、2つで19ユーロ(約3230円!)。ほかも大体10ユーロ前後の価格で、あれもこれもと買うには躊躇してしまいます。
参加者のみなさんの愛車には時として怪しげな日本語のステッカーが貼ってあり、それを見るのもなかなか楽しいのです。車内にフィギアやキャラクターグッズ、またクルマと一緒に盆栽や下駄を飾る方が何名かいました。外国の方の思う日本へのイメージというのが興味深いですね。いわゆる、日本人がドイツ=ビアジョッキとソーセージ盛り合わせというイメージを持つ感じなのでしょうか?
また、愛車にNHKのキャラクター「どーもくん」を乗せている方も多くて、日本車関連のイベントに行く度に見かけるので不思議です。なぜ「どーもくん」? 今回はほとんどど見かけませんでしたが、日本の初心者マークを貼っている人も多く、「あたなは初心者ですか?」と聞くと、「ん?」という表情になるのを見るのも面白いですよ。
夜になるとドリフト大会や電飾コンテストが開催されて、多くの人々が集まってきます。ドイツの公道ではこれらのLEDライトなどをキラキラ点灯させながら走行するのは禁止されていますので、あくまでイベントで楽しむだけに限られています。
旧車の方のテールランプやヘッドライトは暗くて、アウトバーンでは車両に近づかなければ視認しにくいということもありますし、旧車でなくても真っ暗闇の大雨の際は黒っぽい色のクルマ、濃霧の際には白っぽいクルマがほとんど見えないようなときもあるのです。
また、整備不良で電球が切れているクルマも見かけますが、アウトバーンでそこそこスピードを出しているときは、突如暗闇から現れる薄暗いノロノロ運転はとても怖いので、冗談ではありますが、こんな電飾を点灯して走ってくれるとある意味安心なんですけどね。
日本のJAFのような機関がイベント開催をサポート
会場で開催されていたドリフトはAvD(ドイツ自動車協会)主催の公式の大会だったようです。ドイツには日本のJAFのような機関がADACとAvDの2つあり、ライバル関係にあります。ADACは121年、AvDでは125年の歴史がありますが、両者ともに自動車と同時期に誕生したことになりますね。
ADACではドリフト選手権は主催しておらず、どちらかというとGTを中心としたレースを開催しており、有名なニュルブルクリンク24時間レースもそのひとつになります。AvDではさまざまなヒストリックレースを開催しているイメージがあります。私は長年ADACの会員で、自動車保険、事故保険、海外旅行保険、家財保険、弁護士保険とさまざまな保険でもお世話になっていますが、ふとこれらに支払っている金額を考えると、結構ゾっとします……。