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10年以上探してプリムス「ロードランナー」を入手! 大分県USA市のクルマ屋さんが愛車に選んだマッスルカーとは

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)

  • プリムス ロードランナー:ワイドボディに収まる左右の小振りなリアコンビネーションランプが可愛い。前後に貫くエッジが効いたラインは、1968年から1970年しか生産されなかったこの初代モデルの特徴
  • プリムス ロードランナー:左右に大きく膨らんだボンネットフードと、さりげなく書かれた440の文字がこのロードランナーの素性を物語る
  • プリムス ロードランナー:シフトメーカーのハーストのロゴの下に貼られた「USA BASE」の文字。「ユーエスエー」ではなく宇佐市の「ウサ」であることをお間違えないよう
  • プリムス ロードランナー:車名はワーナー・ブラザースの人気アニメ『ワイリー・コヨーテとロード・ランナー』に登場する鳥のキャラクターから名付けられた。弾丸よりも速くフルスピードで走ることができるその特徴と、低価格販売で若年層へのアピールを強く意識したモデルだった
  • プリムス ロードランナー:エンジンはいわゆる440(フォーフォーティ)ci(キュービックインチ)で、排気量は7210ccとなる。カタログスペックで最高出力は395ps、664Nmを発生。小野さんいわく、「この時代のクライスラー車はあらゆるパーツが干渉するので、ヘッダースの交換もひと苦労。何度も仮組みし、当たるところを微調整しながらエンジンを積みました」とのことだ
  • プリムス ロードランナー:ホーンの音色はアニメのキャラクターの鳴き声をそのまま使用。可愛らしい「Beep Beep」という音は、マッスルカーと呼ばれる車両とのギャップ萌え要素だ
  • プリムス ロードランナー:内装のコンディションは良好。この質感や色合いなどは、いかにもアメリカ車的である
  • プリムス ロードランナー:取材当日に小野さんが着用していたTシャツは、「ビッグダディ」。エド・ロスが描いたラット・フィンクをベースにしたモパー仕様。直線番長の世界観が表現された、マッスルカー好きにはたまらないデザイン
  • 1969年式のプリムス ロードランナー 440とオーナーの小野賢一郎さん
  • プリムス ロードランナー:クライスラーのBボディと呼ばれるプラットフォームで、全長は5.15m。これで当時のミドルサイズに相当する
  • プリムス ロードランナー:スクエアなボディ形状と丸目4灯が小野さんの好み。全幅は1.94m。一般的な車両よりは広いが、車体サイズから考えると幅はそれほど広くない

アメリカのクルマがマッスルカーと呼ばれる理由とは

1960年から1970年にかけて誕生した、ハイパワーなV型8気筒エンジンを搭載する後輪駆動の2ドア車のことを、アメリカでは「マッスルカー」と総称しています。ハンドリングは気にせず、シンプルにビッグパワーで速い直線番長。この逞しさや猛々しさを「マッスル(筋肉質)」という言葉で表現したのでしょう。今回紹介するプリムス「ロードランナー」は、当時高額になり過ぎていたそれらの車両のアンチテーゼとして、若年層でも手が届くように安価な価格設定で世に解き放たれたクルマでした。

三菱やAMCのジープにハマった20代

2024年5月5日に熊本県阿蘇郡にある瀬の本高原で開催された「瀬の本グランプリ 2024」に参加した主流は国産車。次いで欧州車とアメリカ車が同数ぐらいのイメージだった。その中で、全長5mを超える大きなプリムス「ロードランナー」が会場内で目立つ存在だったのは間違いない。

ロードランナーのオーナーは、小野賢一郎さん。どことなく某大御所人気タレントに似た面影があり、この愛車と並ぶ姿がとても似合っていたのが印象的だった。

「このスクエアで大きいボディシェイプと、その中にある丸目4灯のデザインが大好きなんです。同じような時代だとダッジ チャレンジャーやチャージャーも顔つきは好みですが、できるだけ人とかぶらない車種に乗りたいなという思いがありまして。10年以上探して、ようやく2年ほど前に手に入れることができました」

小野さんの大本命は、じつはダッジ「コロネット」だった。アメリカ在住の友人に探してもらっていたが、車両の価値が上がったことで現地価格が急騰。さらに日本の物価の変動も大きく変化したことで、現地からの輸入は断念。ダッジと同じクライスラー系列で、いわゆるBボディという構成の兄弟車のロードランナーを国内で探したところ、アメリカ車に強い関東のお店で委託販売車両ありの情報を入手。結果的にその車両を購入したのだった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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