マツダスピード製パーツを基本に自分だけのスタイルを追求
アメリカ発祥のイベント「WEKFEST JAPAN(ウェックフェスト ジャパン)」は、厳しい審査をパスしたクルマだけが参加できるハイレベルなカスタムカーショーです。2024年の会場で見つけたのは、若手オーナーが持ち込んだマツダの初代NA型、ユーノス「ロードスター」。BMW純正色でペイントして随所に今どきのトレンドを盛りこんだ、こだわりのカスタム内容とは。
レストモッドを意識したNAロードスター
2年ほど前にトヨタAE86「スプリンタートレノ」から1996年式ユーノス「ロードスター」に乗り換えたという、“うなち”さん。AE86トレノは個人的に個性が出しづらかったそうで、新しいクルマを探していたところにこのNA8C型ロードスターと出会ったそうだが、じつはNA型ロードスターの指名買いではなかったようだ。
「とくに縛りはなくて最初はNCかNDにする予定だったんですけど、たまたまマツダスピードのちょっと特別な改造がしてあるコンプリート車両みたいなクルマが売りに出ていたので、これだったらベースにいいかなと思って。レストモッドを意識してて、ワイヤータックとかはしないけれども現代化するみたいな感じで、灯火類もLEDにしたりとかしています。部品の大半はマツダスピードか自作ですね。それで色はBMWのノーティックグリーンというソリッドカラーに塗り直しています。レストモッド的なニュアンスでリスペクトしつつも、ちょっと違う感じにしたかったので」
視覚的効果もプラスしている
基本的なコンセプトが「マツダスピードが仮にレストモッドしたらこうだろう」だというだけに、もともと装着されていたパーツも含め、エアロパーツ、タワーバー、ゴールドのエアクリーナーボックスなどはマツダスピード製のパーツを使用。ちなみにエンジンは、インマニやECUなどが変更されたマツダスピードBスペック・ステージ II フルキット。さらにその上で、自作パーツやアフターメーカー製のパーツが組み合わされているのだが、ここにもうひとつのコンセプトとなる視覚効果を加えているという。
「ミラーも台座のカーボンを自作してローマウントにしています。ミラーを小さく低くするとさらにロングノーズ・ショートデッキのイメージになるので、車高をあまり下げなくても視覚的に低く見えるようになるんです。タイヤもあえてホワイトレターにした方がちょっと大きく見えるので、そういう視覚的な効果を狙っています。あとはボディが大きく見えるように、ボディの中で一番外に出ているリアのフェンダーアーチの形も整えて、全体が綺麗に低く幅広に見えるようにしています」
今後さらに手を入れる構想も
細部にわたった数々のこだわりに加え、クルマが小さいため目立たせるようにと卒塔婆風のボンネットを抑えるバーを製作するなど、見せることにこだわっている“うなち”さん。今後は、さらなるビルドアップも考えているようだ。
「エンジンルームのハーネスをイジるのが好きで、コイルのハーネスも自分で作ってるんですけど、電源をまとめてハーネスPDMを結構やりたいんですよね。あとはノーマルに近い感じの見た目のまま、コンピュータをハルテックとかに換えてみたいですね」