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「ランクル」や「パジェロ」に負けない存在感! バブル期に登場したスズキ「エスクード」はライトクロカンの先駆けでした

スズキ エスクード ノマド:3ドアモデルに対して全長を415mm、ホイールベースを280mm延長した

乗用車的な乗り味に近いチューニングがされていた

1980年代後半あたりから巻き起こったRVブーム。この「RV」とは「レクリエーション・ヴィークル」の略で、今でいうSUVやミニバンをひっくるめて、アウトドアレジャーなどを楽しむときに使われる車両を総称していました。そんなRVブーム真っ只中に登場したスズキ「エスクード」を紹介します。

ライトクロカンの先駆けとして登場したエスクード

この時代、とくに人気を集めたのは三菱「パジェロ」やいすゞ「ビッグホーン」、日産「サファリ」にトヨタ「ランドクルーザー」などのいわゆるクロスカントリーモデルで、広い荷室と高い走破性が支持されていた。しかし、これらはガチのオフローダーであったため、不整地の走行性能は高かった反面、オンロードでの走行性能や快適性、街中での取り回しなどの面では劣るという弱点が存在していた。

そこに目を付けて1988年にスズキがリリースしたのが「エスクード」。ある程度のオフロード性能も持ち合わせながら、街中で扱いやすい5ナンバーサイズのボディと乗用車的なプレーンなデザインを備えた「ライトクロカン」という新ジャンルの先駆者として登場したモデルだった。

スズキにはコンパクトながら本格的なオフロード性能を有する「ジムニー」が存在していた。エスクードはジムニーのような泥臭さをあえて省き、シャープなストレートラインを持つ欧州車的なデザインをまとって差別化をしていたことも特徴のひとつ。

ただメカニズムは本格的で、ラダーフレームを備えたシャシーにパートタイム式4WDとジムニー譲りのものを持っていた。足まわりにはフロントがストラット式、リアがトレーリングリンク&センターウイッシュボーン式の乗用車的な乗り味に近いチューニングがなされたものが備わっていた。

のちに5ドアモデルも追加

当初はショートホイールベースの2ドア(コンバーチブルやレジントップも含む)のみのラインアップだったエスクードだが、人気に後押しされる形で1990年9月にはホイールベースを延長した5ドアモデルの「ノマド」が追加。

さらに1994年12月にはスズキ初のV6エンジンとマツダから供給を受けたディーゼルターボエンジンを搭載したグレードが追加。ディーゼルエンジンの供給を受けた見返りにマツダからOEMモデルとして「プロシードレバンテ」が発売されている。

そして1995年10月には派生車種として「X-90」が発売。このモデルは1993年の東京モーターショーに参考出品したところ、反響が多かったために発売したもので、エスクードをベースにTバールーフを備えた2シーターノッチバッククーペとなっていた。

結局初代エスクードは1997年11月に2代目へとバトンタッチするまでの9年間にわたって販売がなされ、現在のクロスオーバーSUVにも通じるライトクロカンの祖として、その存在感を示したのである。

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