今回初めてトップ3をトヨタ車が独占する展開に
29回目を数える「アジアクロスカントリーラリー2024」は、タイ国内だけで2000kmの移動を伴うラリーレイドとして開催されました。2024年8月12日(月)からスタートして5日目。各チームともこの1日を乗り越えられれば、と力が入ります。そんな競技5日目は前日の大波乱に続き、またしても波乱の展開が続くこととなりました。
5日目のSSは228.87kmを走行
これまでアジア各国で開催されてきた「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)」。2024年は各国の情勢もあって、タイ国内だけでの開催となる。2024年大会はモト21台(バイク、サイドカー含む)、オート(4輪)46台がエントリーしている。
タイのスラタニでのセレモニアルスタートによって開幕したAXCR2024は、ホアヒン/チャアム、カンチャナブリと移動をしてきたが、競技5日目は、カンチャナブリ周辺をループで回るコース設定(総移動距離321.56km)となっていた。
この日は、主要な道路から山道に入っては出て、を繰り返すコース。さらさらの赤土のサンドの中、連日のスコールもない状態で228.87kmのSSは進行していく。4輪の前に出発する2輪は前日の影響もあって出走台数は若干減少。4輪でも出走できなくなった車両はあるものの、それでもスタート地点には朝から続々と車両が集結した。
好調なタイのハイラックス勢が並んだ
そしてこの日のベストタイムは、105号車のMana PORNSIRICHERD/Kittisak KLINCHAN組(3時間27分54秒/TOYOTA Hilux Revo/TOYOTA GAZOO RACING THAILAND/T1D)。2日目のミスコースを自らリカバーし、総合トップ浮上となった。そして、この日快走を見せた114号車のNatthaphon ANGRITTHANON/Thanyaphat MEENIL組(3時間28分10秒/TOYOTA Hilux Revo/TOYOTA GAZOO RACING THAILAND/T1D)が2番目にゴールをし、好調なタイの「ハイラックス」勢が並んだ。
さらに3番手には、2、3日目にトップタイムを出した塙 郁夫/染宮弘和組のトヨタ「フォーチュナー」(3時間29分52秒/TOYOTA Fortuner/TOYOTA GAZOO RACING INDONESIA/T1D)が復活。後方からのスタートだったが、前日のロスを取り戻すかのような激しい走りで前走車をパスし、見事3番手タイムをたたき出した。
そして前日暫定トップに立った三菱「トライトン」の103号車、Chayapon YOTHA/Peerapong SOMBUTWONG組(Team MITSUBISHI RALLIART/MITSUBISHI Triton/T1D)がゴール2km手前でストップし、再始動ができず。後から来た同チームの137号車(小出一登/千葉栄二組)にけん引されてSSゴールに到着。大きく後れを取り、3時間のペナルティを受けトップから陥落。増岡浩監督も意気消沈だ。
続く2024年8月17日(土)はAXCR2024最終日となるため、車両整備も最後の夜となった。86.73kmのSS最終日の出走順はこの日までの総合順位順ということで、105号車のマナ組からのスタートとなる。現在日本人最上位は115号車の塙 郁夫/染宮弘和組の4位となるが、そのすぐ後ろには三菱トライトン107号車の田口勝彦/保井隆宏組も迫っており、このあたりの結果もどうなるのか楽しみだ。