エンジンフィールに圧倒されて695の購入を決意
走り屋ブームの時には国産スポーツカーを乗り継いだという竹山さん。漫画『GT roman』でエンスー車に憧れを抱いてイタリア車を所有するものの、紆余曲折を経て現在の愛車であるアバルト「695」に辿り着いたそうです。そんな竹山さんの愛車遍歴と、現在の愛車を購入した経緯を伺いました。
サソリの猛毒は「幸せホルモンの源」を脳内に満たす原動力
漫画『GT roman』の影響でヒストリックカーの魅力に取り憑かれ、その世界へと踏み込んだというオーナーはきっと少なくないだろう。今年、55歳になったという竹山さんもそんなひとりだ。
「免許を取得した大学生時代の初めての愛車はパルサーEXAです、好景気もあり、魅力ある国産車が次々とラインナップされていた時代でしたね」
ハイソブームとともにこの世代のクルマ好きを二分した、走り屋ブームの真っ只中ということもあり、トヨタ「AE86」へと乗り換えた竹山さん。その後、漫画『GT roman』に出てくるエンスー車に憧れるも、どこで買えばよいか分からず、マツダNA「ロードスター」をチョイスし、クルマ趣味を楽しんでいたという。
「クルマが楽しいということでは、それまで乗っていた愛車たちでも十分満足でしたが、やっぱりエンスー車に乗ってみたい! とずっと思ってました」
そして知人の紹介で出会った、竹山さん的に初となったエンスー車は1983年製のE28型アルピナ「B9-3.5」だった。
「これが乗るたびにどこか調子悪くなるというくらい壊れたのと、あまりに燃費が悪くて嫌気がさしたんです(苦笑)」
憧れのままのはずが試乗でサソリ毒にやられた
『GT roman』の中でも、旧いイタリア車に魅力を感じたという竹山さんが、とくに興味を持ったのがアバルトだった。
「フィアット500をベースにしたピッコロモンスターと呼ばれるアバルトという車種を知ってずっと憧れていたので、ずっと興味のあったフィアット・アバルトのレプリカを探すことにしたんです」
どうしてレプリカを探したのかというと、本物は絶対に買えないし、レプリカでも十分楽しめると思ったからだそうだ。そして、念願のフィアット「500F」をベースにした「595」仕様を見つけることになり、念願だったイタリア車のイベント「イタリアンジョブ」にも参加するようになったという。そのイタリアンジョブの会場で、仲間から岐阜に本物のアバルトの売り物があると聞き、帰り道に一緒に見に行こうとショップへと立ち寄ったそうだ。
「オーバーフェンダーにレーシングワイパーというドンピシャな外観だけでなく、595よりもレアな695が展示されていました。もちろんそれに見合った価格でしたので、やはり憧れのままだなというのが最初の印象でした」
その695が頭から離れずにいた竹山さんの気持ちを見透かしたのか、仲間から今度はエンジンをかけてもらおうよと誘われ出向くと、なんと試乗もさせてもらえることになったそうだ。
「試乗させてもらうと、あっという間に吹け上がるエンジンフィールに圧倒され、今を逃したら所有できるチャンスは2度とないという思いに駆られ、気付くと購入しますとお店の人に宣言してました。すっかりとサソリの毒にやられてしまいましたね」
と竹山さんは笑う。
「以前所有していたFタイプも含めて、長距離を走った経験は今までなかったのですが、富士山パーキングで行われたフィアット&アバルト500全国ミーティングへ日帰り600kmを走ったことで、どこにでも行く自信がつきました。これからも全国いろんなイベントに参加して695との思い出を増やしたいですね」
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)