日本のお盆と同じくドイツもどこも渋滞……
個性的にカスタムされた日本車などが集結した、アジア車のイベント「Reisbrennen(ライスブレンネン)」を取材した筆者。取材を終え、自宅のあるミュンヘンに向けて走り出しました。バカンスと重なり、至るところで渋滞が発生。ドイツの渋滞事情などを交えてレポートします。
あまりの長時間渋滞を避けるべく下道へ
まだまだ暑いドイツですが、夜は秋の虫の声が聴こえるようになり、空気感も少しずつ変わってきました。めちゃくちゃ楽しかったヨーロッパ最大のアジア車の祭典「Reisbrennen(ライスブレンネン)」も終了し、アウトバーンを約540km走って自宅のある南ドイツへ向けて出発です。
同じ方向で帰宅する参加者さんらしきクルマをアウトバーンで多く見かけて、イベントが終わってもテンションが上がります。私がそれっぽい日本車に乗っていれば、あちらも私があの場所にいたことも分かってもらえそうですが、ドイツ車に乗っているとさすがに難しいですね。ですので、私ひとりで走りながらワクワクしていました。
少しヤンチャな日本車や、見た目が速そうなクルマも多く走っていましたが、驚くほどにみなさんが真面目に走行。追い越し車線をぶっ飛ばして走っているクルマはおらず、3車線の右端(右側通行のため)の走行車線に連なって走っていて、私もその車列の最後のR33型日産「スカイライン」の後ろに付いてしばらく走っていました。
ドイツでは日曜日は特別許可証を持つ車両以外のトラックは走行できませんので、走りやすいと思います。しかし、イベント終わり時点のヨーロッパはバカンスシーズンまっただ中。日本でもお盆の時期は交通事故が多発していますが、こちらドイツでも毎日のように交通事故の痛ましいニュースが入ってきます。
Reisbrennen参加者の隊列を見ながら楽しくアウトバーンを走っていると、ナビが迂回を何度も提案。あ~またバカンス渋滞か~と思っていましたが、120分の遅れと出たのでさすがにそれを信じて下道に降りました。
この日はたまたま局地的な強い雨が降っていましたが、コントロールを失いそうになるほどではありませんでした。しかし、この渋滞の原因は、どうやら同じアウトバーン4号線の先で降った局地的な雨により、ハイドロプレーニング現象で滑って事故ったクルマに次々と追突、合計25台がクラッシュしたようでした。
下道に降りたはいいのですが、こちらもノロノロ運転です。高級陶器で有名なマイセンが近づき、どうせ渋滞だし街に寄ろうかな? とも思いましたが、そこからまだまだ自宅まで450km以上……。立ち寄ろうなんて気力さえも浮かばずノロノロ運転のままマイセンを抜けて畑の田舎道の渋滞を走り続けます。
何度も長距離の渋滞や通行止めで痛い思いをしたことがあったため、愛車に飲み物とお菓子類は積んでおくことにしています。ですが、なんということでしょう。この日飲み物は十分に持っていたのですが、お菓子は少しだけ残ったプリングルスのみ。トホホ。こんなときに限ってお腹が空いてひもじいです。
日本のように国道沿いにいろんなお店があるわけではなく、田舎の飲食店は都会と違って閉まっています。畑の横の国道で渋滞にハマっているときに、やはりマイセンの中心地に入って休憩すればよかったかな、と後悔をしました。
やっとの思いで駆け込んだトイレも大渋滞
結局は、ナビが最初に出した120分よりも長く下道の渋滞にハマりました。アウトバーンへ戻ってから、最初のサービスエリアに入り、トイレにダッシュしたことはいうまでもありませんが、ここでもトイレ渋滞が……。ドイツにはコンビニエンスストアもありませんので、お手洗いを気軽に借りられる場所もほとんどないのです。田舎あるあるなのですが、コンビニ的な役割のガソリンスタンドは無人でトイレがないなど、初めて走る道には予測できないことばかりです。
この日の帰り道には、自宅手前100kmほどのアウトバーンでメルセデス・ベンツの大型高級キャンピングカーがガードレールに前から突っ込んで突き刺さり、運転席後ろ辺りまで貫通、ガードレールと一緒に路側の草木に突っ込んで倒れていました。
車高が高いので大きな怪我はなさそうでしたが、運転手さんらしき方がクルマの前で呆然と立っておられました。まだ救急車や警察車両は到着していない事故直後だったようです。
ところで、日本では事故の様子をスマートフォンで撮影している方をよくみかけますが、これはドイツでは厳禁です。助手席や後部座席の方でも撮影不可で、高い処罰の対象になり、悪質と認められた場合は実刑になりますのでご注意を! 警察や消防の方が撮影しているクルマが居ないかをチェックしている場合もあり、ナンバーから調べて処罰のお手紙が届くようです。旅行の際などはご注意を。