ボディの全塗装からシートの張り替えまでDIYのフィアット600
今年で20回目を迎えた「イタリアンジョブ2024」。イタリア車が集まるこのミーティングへの参加が、今回で8回になる原田愛子さんの愛車はフィアット「600D」です。手先が器用なオーナーがDIYで仕上げたという愛車を紹介してもらいました。
「わたし、全部自分でやってみたいんです」
岐阜県揖斐郡にある藤橋城の駐車場には早朝から、さまざまなメイクスのイタリア車が集まってきている。ここは2024年で20回目を迎えたイタリア車の展示イベント「イタリアンジョブ」の会場だ。やはり大多数はフィアット「500」や、「ジュリア」系のアルファ ロメオであるが、少数派の一画が形成されているエリアにコマネズミのような佇まいを見せている1966年製のフィアット「600(セイチェント)」。
マットな塗装にボンネットに入ったストライプが絶妙なアクセントになっている。近づいてよく見てみると、ボディ塗装の表面には刷毛目がある!
「わたしが自分で刷毛塗りしたんですよ、写真撮るなら、こっちの方を撮ってください。ボンネットは最初に塗ったからキレイじゃないんです」
と笑顔で声をかけてくれたのが、オーナーの原田愛子さん。
「マット塗装ではなくて、塗りっぱなしで磨いてないからです(笑)」
なんでも少し塗装にダメージがあったことから、ホームセンターに売っているトタン屋根用のペンキを使って、2cm幅の平筆でボディ全面を塗ったという。たしかに、ドアなどは言われなくては刷毛塗りと気付かないほど、キレイに塗られている。
「わたしはなんでも自分でやりたいので、シートカバーも自分で縫ったんです」
とドアを開けてくれた。室内を覗くとシートはパイピング処理まで施した見事な仕上がりである。ミシンがけはもともと得意なのだそうだ。
車中泊もおまかせ! な愛車でフィアット・ピクニックでグランプリを獲得
さらに驚くのは、もともとは固定式のシートであるが、こちらは友人の手を借りて、助手席をリクライニングできるように改良しているのだ。イベントだけでなく、往復1000kmくらいの遠方へも愛車で出かけるとのこと。リクライニングシートのおかげで、ちょっと休憩する時や、しょっちゅうしているという車中泊が快適に過ごせるようになったと、また笑顔を見せてくれる。
そして、こちらもお手製となるカーペットにも、シートベルト、ハンドブレーキの部分には差し色でステッチを入れるなど雰囲気良く仕上がっている。そんな愛車を原田さんが手に入れたのは、顔つきの可愛らしさにひと目惚れしたからだという。
入手後しばらくしてエンジンをオーバーホールしてからは、どこに行くのにも不安がないくらい調子は良いそうだが、新東名高速でウォーターポンプが壊れてしまった時は、2Lの水を継ぎ足しながらイベント会場まで向かうなど、トラブルへもバッチリ対応。ちなみにその時のイベント「フィアット ピクニック」で行われた「MY FIAT デコレーションコンテスト」では見事にグランプリを獲得し、より思い出に残るイベントになったそうだ。
「このイタリアンジョブも8回くらい出ているので、たくさん知り合いができて楽しいですし、全国いろんなイベントに参加しますよ」
という原田さん。どこかの会場で見かけたら、お声がけしてみてはいかがだろう。きっと笑顔で応えてくれるはずだ。
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