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軽カーで5時間の「東北660耐久」レースを制したクルマは? 全車みごと完走した第2戦、ダークホースの三菱「ミニカ」が大活躍!

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 東北660耐久レースのレースシーン
  • 決勝のスターティンググリッド。先導車が何であるかもリンクサーキットの楽しみのひとつで、今シーズンはマクラーレン720Sだった
  • スプリントとはまた違う楽しさがある耐久レース。ドライバーだけではなくピットクルーも一緒になって5時間後のチェッカーを目指す
  • ドライバーの乗る順番や給油のタイミングをあらかじめ計画。作戦どおりいかないことも多いが事前のシミュレーションは欠かせない
  • トラブル車両を回収するため赤旗が出る。待機場所に整列中はボンネットを開けないのであれば、ファンなどによるクーリングが可能
  • 今回からカラーリングを一新した34号車 海鮮市場 長崎港&日本精機 Defi。同時にサスペンションも新調し練習中にセッティングを煮詰めていた
  • 新たに参戦したチームも。Tec Autoではエッセとミラの2台を3クラスに投入した。惜しくも表彰台には届かなかったが次戦に期待!
  • 5時間を戦い抜いたマシンが整列。車両トラブルはゼロではなかったが、リタイヤすることなく決勝を走った全チームが見事に完走
  • 4クラスの表彰式。今回も協賛メーカーとリンクサーキットからたくさんの賞品が贈られた。最終戦で表彰台に立つのはどのチームか
  • 3クラス第3位の31号車 ジジイでも走れるアルト
  • 3クラス準優勝の30号車 おちんぎん大好きRcg MM号
  • 3クラス優勝の383号車 ARYUMCいきなりミニカ旅行
  • 学生クラス第3位の385号車 IUAC DXL カミオン ミラ
  • 学生クラス準優勝の33号車 ワゲナーバン by YUMC
  • 学生クラス優勝の383号車 ARYUMCいきなりミニカ旅行
  • 4クラス第3位の829号車 チーム関東 ARY
  • 4クラス準優勝の561号車 ARYレーシング チーム軽量級
  • 4クラス優勝の194号車 おいなりさん feat. S.C.I.
  • 序盤はポールポジションの561号車 ARYレーシング チーム軽量級がリードする。凄腕のドライバーばかりでタイムのバラ付きも少ない

耐久ならではの展開もあり見どころ満載

新規格の軽自動車にて争われるレースが「東北660」シリーズです。スプリントレースとは違う魅力がある耐久レースも人気が高く、多くのマシンがエントリー。2024年7月に開催された第2戦の模様をレポートします。

学生が参戦できるクラスも盛況

東北660耐久レースの第2戦が2024年7月14日に福島県のリンクサーキットで開催された。決勝はシリーズでもっとも長い5時間で、クルマにとっても人にとっても過酷だが、その分だけ完走したときの充実感も大きい。今回は合計21チームがエントリーしており、登録できるドライバーも最大で5名と、ほかのラウンドより多いのが特徴といえる。

3クラスは東北660選手権の3クラスと同じ車両規定が適用。改造範囲が厳しく制限され、タイヤもセカンドラジアル縛りだ。また学生クラスは自動的に3クラスにもエントリーされ、そちらを合わせると15チームという激戦区になる。

4クラスはそれ以上のチューニングが施されたNAの軽自動車で、今回は不在だったがホンダ「トゥデイ」や「ビート」といった旧規格も参加が可能だ。

予選:他クラス参戦マシンなどもエントリー

まずは3クラスの模様から見ていこう。予選のポールポジションは85号車「塩山自動車 佐藤部品アルト」で、2番手は常連の学生チーム680号車「NUMC ゾンビアルト」。3番手には東北660選手権とHA36カップにも出場している車両を、耐久レースに持ち込んだ31号車「ジジイでも走れるアルト」が食い込んだ。

そして学生クラスの2番手は383号車「ARYUMCいきなりミニカ旅行」、3番手が33号車「ワゲナーバン by YUMC」の順でグリッドが決定した。

4クラスは東北660選手権のトップランカーたちが組んだ561号車「ARYレーシング チーム軽量級」が初参戦でポールを獲得、2番手は開幕戦の覇者である194号車「おいなりさん feat. S.C.I.」が0.23秒という僅差で続く。3番手はやはり東北660選手権の上位陣による829号車「チーム関東 ARY」だ。

決勝:3クラスはダークホース的な三菱「ミニカ」が優勝

決勝レースはマクラーレン「720S」の先導によって火蓋が切られ、各チームとも混雑しているコース状況のなか淡々と周回を重ねていく。ドライブシャフトやブレーキにトラブルを抱えてピットインする車両こそあったが、クラッシュがないのは当然のこと、リタイヤに繋がるようなアクシデントもなく、終わってみれば決勝に進んだチームが1台も欠けることなく完走した。

前述したマシントラブルのときはライバルであるはずのチームがスペアパーツを快く提供するなど、東北660シリーズに一貫して流れるスポーツマンシップも全チーム完走を達成した一因だろう。最終的なリザルトは以下のとおり。

総合および4クラスの優勝は194号車「おいなりさん feat. S.C.I.」で、開幕戦に続く連勝でシリーズチャンピオンに大きく近付いた。準優勝は2ラップ差で561号車「ARYレーシング チーム軽量級」、3位には829号車「チーム関東 ARY」が入り表彰台の一角を堅守した。

総合優勝

そしてダークホースが席巻した3クラス。シングルカムがゆえの非力さで勝ち目は薄いと思われていた、383号車「ARYUMCいきなりミニカ旅行」が239周で優勝を飾った。エンジンのパワーどころか車重やギヤ比に燃費などを含め、ライバル勢に対しアドバンテージはゼロであるはずだが、ドライバーの阿部優翔選手と大島慧恩選手は事前に4回も練習に通い、足まわりやタイヤの空気圧を徹底的にセットアップしたという。

走り込んだおかげで安定したラップタイムを刻めるようになり、全チーム中最少の2名で挑んだことでタイムのバラ付きもない。三菱「ミニカ」は車両価格も非常にリーズナブルであり、チューニングパーツもそれなりにある。これから耐久レース参戦を考えている人には、ひとつの選択肢となるのではないだろうか。準優勝は30号車「おちんぎん大好きRcg MM」号、3位は31号車「ジジイでも走れるアルト」だった。

学生クラスは383号車「ARYUMCいきなりミニカ旅行」が優勝。準優勝は7ラップ差で33号車「ワゲナーバン by YUMC」、3位は385号車「IUAC DXL カミオン ミラ」となった。

東北660耐久レースの第3戦は少し間を空けて、11月24日(日)にエビスサーキット西コースで開催。各チームとも5時間を戦い抜いたマシンをメンテナンスし、シーズンの締めくくりに相応しい熱いレースを見せてくれるはずだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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