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アルピナルックではダメ!? BMW「635CSi」が予想落札380万円にも達せず…当時物のエアロパーツを組み込んでも厳しい結果となりました

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: ICONIC AUCTIONEERS

純正パーツでBMWアルピナ風のルックスをコンプリート!

アイコニック・オークショネアーズ社は、2011年に「シルヴァーストーン・オークション」として創業。2023年8月に現在の屋号に改組して再スタートを図ったという、自動車オークションビジネス界では比較的新興勢力ともいうべき会社である。同社では、毎月末に期間限定のオンラインオークションを開催しており、2024年6月のオークションでは20日に入札スタート。1週間後の27日の午後7時に締め切られる設定とされた。

今回の「The June Online Timed Auction」に出品されたBMW 635CSiは、英国ノーザンプトンで今もなおBMW/MINI正規ディーラーを営んでいる「ウォーラストン・モーターズ」社を介して納車されたもの。現在に至る3オーナーを合わせた走行距離は、38年落ちという年式を考えれば少なめと言えなくもない、9万4200マイル(約15万km)にとどまっている。

そして2021年、前後左右のウインドウをすべて取り外してブルー・メタリックに再塗装され、同時に内外装のドレスアップを施すことによって、BMWアルピナを彷彿とさせる姿に生まれ変わった。つまり冒頭で述べたような、1980年代当時からのアルピナ風ルックだったわけではなく、近年になって組まれたBMWアルピナ・レプリカだったようだ。

サービスブックやハンドブックも付属

それでも、エアロパーツはアルピナ純正品が装着され、ステアリングホイールやボディを1周する「アルピナストライプ」と正しいカラーリングでまとめられている。

ZF社製4速ATギアボックスは、英国ミッドランドのトランスミッション専門ショップによって、2019年に2500ポンドの費用を投じたオーバーホールを受けた。また、ステンレス製のサイレンサーを装備し、リアにはビルシュタイン製ダンパーとポリウレタン製ブッシュが取り付けられている。

さらに、燃料噴射装置のインジェクターは2021年にオーバーホールされ、その直後にBMW指定の総合点検整備「Inspection II」サービスが実施されたとのことである。

なお今回のオークション出品に際しては、ハンドブックとサービスブックとともに提供され、ヒストリーファイルには多数の請求書と古い英国「MoT」証明書が含まれている。

このクルマの3代目オーナーである売り手は、ボディワークやエンジンまわり、トランスミッションやペイントを「エクセレント」、最近追加されたリバースセンサーやBluetoothを含む電装品やインテリアトリムについては「ベリーグッド」と評価。その自信をうかがわせていたようだ。

そして今回のオンライン入札に先立ち、アイコニック・オークショネアーズ社と現オーナーは2万ポンド(約380万円)~2万4000ポンド(約460万円)という、かなりの自信を印象づけるエスティメート(推定落札価格)を設定した。

ところが実際のオンライン競売では、1週間の入札期間では希望した最低落札価格に届かなかったため、残念ながら「Not Sold(流札)」。現在でも同額のエスティメートを保持したうえで、継続販売とされている模様である。

>>>BMWの専門誌「BMW LIFE2」を読みたい人はこちら(外部サイト)

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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