デイラリーシリーズの競技はアベレージ走行を競う
モータースポーツに興味があるという方であれば、現在ではWRCのゲームやeスポーツに参加しているかもしれません。さらに「ラリー」のリアルを求めたくなったなら、気兼ねなくちょこっと現場に踏み込んでみるのはどうでしょう。スポーツでは誰にでも憧れの選手がいたりします。夢であっても世界一、日本一、少しでも上達したい欲望が生じるものです。夢と現実を結んでいく生きがいがあれば、より楽しい世界が広がるはずです。
目標がスピードを競う最高峰のラリーであっても、まずはJAF競技ライセンスを取得しなければなりません。デイラリーはこんな時には絶好の参加イベント。関東各地の由緒あるクラブたちが10年以上にわたって主催し続けているJAF認定のシリーズだけに、初心者にとっては、集っているラリー経験豊富な先輩たちに会えるまたとないご利益もあるでしょう。
デイラリーシリーズの競技はアベレージ走行を競うもの。公道でのクルマを使ったスポーツとして、安全走行を徹底しながら、競技区間における指示された平均速度走行を通して評価されていきます。ルートに点在するチェックポイントの競技車の通過タイムをオフィシャルが計測し、指示されたアベレージ走行ができているかどうか、正確な通過時間との秒差の違いがどれほどあるのかを捉え、その累計値の少なさが競われます。アベレージラリーはそんなスポーツです。
モータースポーツの第1歩にオススメ
オリンピック競技のひとつである馬術では乗馬しているジョッキー1人が馬を操り課題を乗り越えますが、クルマを操作し競い合うスポーツのラリーでは、乗車している乗り手は2人。また1人のドライバーがマシンに乗りこんで競い合うレースとも違います。ペアで競う競技もまた、バドミントン、卓球などいろいろありますが、ラリーでは競技者2人に加えてクルマもいっしょに戦っています。
マシン特性の理解、走行速度に関わるドライブテクニック、走行ルートの状況判断をともなうナビコミュニケーション、突き詰めるものはいろいろとありますが、それだけ楽しめる側面が多く、こんなスポーツはなかなか無いように思われます。
車内にめぐらされたロールバーがなくても、ラリーコンピューターがなくても、ノーマル市販車のままの自分のクルマであっても参加できる、ラリー初心者、入門者に最適でもあるデイラリー。今シーズンは残り1戦。茨城県常陸太田周辺で展開されるターマックラリー(10月13日)があります。
世界各地に広がっているモータースポーツのラリー。第1歩としてまずは競技ライセンスを取る。デイラリー参加でそれができるなんて、座学の講習で取得するのとは違った、何かいいことがあるに違いありません。