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ポルシェ「911」初のハイブリッド車「カレラ GTS」の走りとはいかに?「大パワーのNAエンジンのようでいて、前期型ターボに迫る速さ!」

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TEXT: 藤野太一(FUJINO Taichi)  PHOTO: Porsche AG

  • ポルシェ 911 カレラ GTS:インテリアデザインは従来モデルと同様ながら、911初となるフルデジタルメーターパネルが採用された
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:前後バンパーのデザインを変更。アクティブ冷却エアフラップなどによりエアロダイナミクスが向上している
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:エキゾーストパイプはディフューザーと一体化。GTS専用のスポーツエキゾーストシステムが採用された
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:ドライビングライトをはじめ、ライト機能を統合したマトリクスLEDヘッドライトを標準化
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:ボディサイドには「t-hybrid」のロゴが備わる
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:各種操作を行う10.9インチのセンターディスプレイにも、アシストや回生状況を表示可能
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:クーペモデルは2シーター仕様を基本とし、追加費用なしで後席が追加可能となっている
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:GTSモデルはクーペとカブリオレに加え、タルガ 4 GTS(写真)もラインアップする
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:ナンバープレート位置が従来より高くなり、すっきりしたリアスタイルとされた
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:インテリアデザインは従来モデルと同様ながら、911初となるフルデジタルメーターパネルが採用された
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:エキゾーストパイプはディフューザーと一体化。GTS専用のスポーツエキゾーストシステムが採用された
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:前後バンパーのデザインを変更。アクティブ冷却エアフラップなどによりエアロダイナミクスが向上している
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:カレラ GTSは0-100km/h加速3秒、最高速度312km/hとなる
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:レース車両技術の知見をベースとする「T-Hybrid」は、コンプレッサーとタービンホイールの間にモーターを配置、ブースト圧を瞬時に上昇させる
  • ポルシェ 911 カレラ GTS:カレラ GTSは0-100km/h加速3秒、最高速度312km/hとなる

サーキットでは前期型ターボにも迫るような速さをみせる

ポルシェ「911 カレラ/カレラ GTS」が改良を受け、現行「911」(992型)は後期型へと進化。公道走行可能な911として初のハイブリッドシステム「T-Hybrid」が採用された、カレラ GTSにスペインで試乗しました。

911で初のハイブリッドモデル

2024年5月28日、現行ポルシェ「911」(タイプ992)の後期型にあたる通称「992.2」が発表された。注目のニュースは、ポルシェ911初のハイブリッドモデルが登場したことだ。

今回はベースとなる「カレラ」とハイパフォーマンスバージョンの「カレラ GTS」の2モデルが発表されたが、カレラは前期型と同様の3L水平対向6気筒エンジンを搭載する内燃エンジン車であるのに対して、GTSのみがハイブリッド仕様になった。

そもそもGTSとは、「Gran Turismo Sport」の略称で、1960年代のレースカー「904 カレラ GTS」に由来するもの。近年は2007年に発表された「カイエン GTS」にその名が使われるようになり、911には2010年(タイプ997)から設定されている。

「カイエン」や「パナメーラ」が採用しているハイブリッドシステムは、PHEV(プラグインハイブリッド)であり、ポルシェはそれを「E-Hybrid」と呼んでいる。一方で911は「919ハイブリッド」などレースカー由来の独自のシステムを採用。「T-Hybrid」と呼ばれるもので「T」はターボの意味だ。こちらは電動走行しない、いわゆるマイルドハイブリッドシステム。このネーミングには排ガス規制をクリアするべく環境性能を高めつつも、ハイパフォーマンスバージョンとしてのパワーアップ分をこのハイブリッドでまかなうという意図が込められているようだ。

エンジン搭載位置を110mm低めた

911にハイブリッドシステムを搭載するにあたり、最大の課題はやはり重量だったという。仮に911をPHEVにすれば200〜300kgの増加は避けられないだろう。スポーツカーとしてそれは致命的だ。新型カレラ GTS クーペは、前期型と比べて約50kgの重量増にとどめて車両重量1600kgを切ることを目標に開発が進められ、最終的に空車重量(DIN)1595kgに収められた。

ハイブリッドシステムの中心を担うのはもちろん水平対向6気筒エンジン。従来型の3Lに対して、排気量を0.6L拡大した3.6L水平対向エンジンを新開発。単体で最高出力485ps、最大トルク570Nmを発生する。高電圧システムの採用により、エアコンをベルト駆動ではなく電動駆動にするなどしてコンパクト化。エンジン搭載位置を110mm低めたことで、上部にパルスインバーターとDC-DCコンバーターなどのハイブリッド関連ユニットを収める空間を生み出した。

これに電動ターボチャージャーを組み合わせる。先代のツインターボからシングルターボ化し、ウェイストゲートを省くことで軽量化を実現。この電動ターボはタービンの軸部分に電気モーターが組み込まれており、ラグタイムなしにブースト圧を高めることが可能となっている。またこの電気モーターはジェネレーターとしても機能し、最大11kW(15ps)のパワーを発生する。

メインの駆動用モーターは、8速PDKのトランスミッションケースに組み込まれた永久磁石同期式のもの。アイドル回転数から最大150Nmを発揮し、エンジンをサポートする。400Vの電圧で作動し、最大1.9kWhの電力を蓄える駆動用のリチウムイオンバッテリーを、もともと12Vのバッテリーを搭載していたフロントトランク内に配置。12Vバッテリーは軽量化のため薄型タイプのリチウムイオンバッテリーに代替し、ボディ後部に搭載している。これらを組みあわせ、システムの合計出力は541ps、合計トルクは610Nmとなり、先代比で61psのアップをしている。

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