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「最後の911」のはずだった「911SC」に試乗! 旧き佳き空冷ポルシェの芳香が色濃く残るドライブフィール…乗りこなすための流儀とは【旧車ソムリエ】

「最後の911」のはずだった「911SC」に試乗! 旧き佳き空冷ポルシェの芳香が色濃く残るドライブフィール…乗りこなすための流儀とは【旧車ソムリエ】

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

  • ポルシェ 911SC:1978年モデルとして誕生した911SC
  • ポルシェ 911SC:世界的な流行の兆しを見せ始めていた超扁平タイヤの装着を見越して、リアフェンダーがフレアした「カレラボディ」に統一された
  • ポルシェ 911SC:フロントノーズのクレスト
  • ポルシェ 911SC:フロントバンパーの左右両端にはブラックのベローズが備わる
  • ポルシェ 911SC:ヘッドライトリングは1978年モデルのみクロームメッキで、1979年モデル以降はボディ同色
  • ポルシェ 911SC:定番のFUCHS社製ホイールを履く
  • ポルシェ 911SC:ドアハンドルは1978年モデルのみクロームメッキ。1979年以降はアノダイズドブラックとなる
  • ポルシェ 911SC:世界的な流行の兆しを見せ始めていた超扁平タイヤの装着を見越して、リアフェンダーがフレアした「カレラボディ」に統一された
  • ポルシェ 911SC:この個体は巨大な通称カレラウイングを装着
  • ポルシェ 911SC:モダンな書体の911SCエンブレム
  • ポルシェ 911SC:リアバンパーにもブラックのベローズが装着される
  • ポルシェ 911SC:フロントフードの内部はラゲッジルーム
  • ポルシェ 911SC:5連メーターが並ぶコクピット
  • ポルシェ 911SC:VDO製スピードメーターは250km/hまで刻まれる
  • ポルシェ 911SC:ステアリングの左側にイグニッションキー
  • ポルシェ 911SC:いわゆる「ポルシェシンクロ」時代のシフトチェンジは、うまく回転を合わせさえすれば、レバーが自然と各速に吸い込まれるように入ってくれる
  • ポルシェ 911SC:まずはアイドリング+αの回転数でゆっくりクラッチをつなぎ、車体が動き出したことを確認したうえでジワッとスロットルを開く
  • ポルシェ 911SC:試乗車にはレカロシートが装着
  • ポルシェ 911SC:後席は+2だがしっかり座れる形状
  • ポルシェ 911SC:後席を倒すとラゲッジスペースとして活用できる
  • ポルシェ 911SC:911SCに搭載されたパワーユニットは、ボア95mm×ストローク70.4mm、総排気量2994ccの水平対向6気筒SOHCの「930/17」型エンジン
  • ポルシェ 911SC:乗り味の点でもナロー時代から継承された空冷911特有のキャラクターを色濃く感じさせるものだった
  • ポルシェ 911SC:世界的な流行の兆しを見せ始めていた超扁平タイヤの装着を見越して、リアフェンダーがフレアした「カレラボディ」に統一された
  • ポルシェ 911SC:ウインドシールドの傾斜角やリアフェンダーなど細かいディテールが、SCはそれ以前までのカレラボディに近い

1982年式 ポルシェ911SC

「クラシックカーって実際に運転してみると、どうなの……?」という疑問にお答えするべくスタートした、クラシック/ヤングタイマーのクルマを対象とするテストドライブ企画「旧車ソムリエ」。今回は、1970年代末から1980年代前半まで人気を得たポルシェ「911SC」を主役に選び、そのモデル概要とドライブインプレッションをお届けします。

じつは最後の911になるはずだったSCとは?

1963年に正式発表されたポルシェ「911」は、その後ほぼモデルイヤーごとに小改良が施されてゆく。とくに「Gシリーズ」と呼ばれる1974年モデルでは、前後バンパーの大型化とそれに伴うノーズとテールエンドのモダナイズが行われるなど、デビュー以来最大規模となるマイナーチェンジが施された。

そして1978年モデルとして誕生した「911SC」は、従来の「911/911S」および「911カレラ3.0」を1本化した、新たなスタンダード911。かつて「ナナサンカレラ」こと「カレラRS2.7」用のフラット6をデチューンして、Gシリーズ以降のスタンダードモデルに搭載したように、911SCにも「カレラ3.0」用をデチューンした3Lユニットが搭載されることになった。

しかも911SCでは、同じポルシェの「930ターボ」で採用されて以来、世界的な流行の兆しを見せ始めていた超扁平タイヤの装着を見越して、リアフェンダーがフレアした「カレラボディ」に統一された。

ところで、本来ならば911シリーズは、新世代の水冷FRポルシェ、「924」および「928」にとって代わられるかたちでフェードアウトすることが、この時点ですでに決定済みだったとのこと。したがってこの911SCは、911シリーズの最終モデルとなることを意識して開発されたモデルであった。かつて「356」シリーズのファイナルモデルにもつけられた「SC」というネーミングは、その証ともいわれている。

また、日本市場向けには930ターボ譲りの16インチホイールなどのスポーティなオプションが標準装備された上級バージョン「911SCS」もとくに用意されていた。

そんな911SCに搭載されたパワーユニットは、ボア95mm×ストローク70.4mm、総排気量2994ccの水平対向6気筒SOHCの「930/17」型エンジン。本国仕様の最高出力は当初の1978~1979年モデルでは180psとされたが、いかにもあのころのポルシェらしく、モデルイヤーを重ねるごとにブラッシュアップ。1980年モデルは188ps、そして1981年モデル以降は204psをマークしたとのことである。

こうして、名作911のフィナーレを飾るかとも思われていた911SCながら、その命運はポルシェ首脳陣の予測とは違う方向へと転がっていったようだ。次世代のポルシェの屋台骨を支えることを期待されていた水冷FRモデルの販売が、思うように伸びなかったのだ。

そして1980年末には、CEOとして水冷FRプロジェクトを推進してきたエルンスト・フールマン博士が、その責任を取るかたちで退職。そのかたわらで、911の存続を望むリクエストがあまりにも多かったことから、代わって就任したペーター・W・シュッツ新CEOは、911のさらなる延命を図ることを決定する。

そして、ポルシェの看板役者にふさわしいブラッシュアップを図った1984年モデルとして、排気量を3.2Lに拡大した「911カレラ」が登場したことにより、かりそめのファイナルモデルだった911SCは、それにとって代わられることになったのである。

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