セナの功績をオマージュした特別な1台
マクラーレンのサーキットのDNAと壮大なスーパーカーのクラフツマンシップが交差する、「3-7-59テーマ」でペイントされたマクラーレン「750S」は6台のみ生産され、そのうちの1台がM23とともに今回のイベントで展示された。2023年11月に公開された「3-7-59テーマ」は、1974年のインディアナポリス500、1984年のモナコGP、1995年のル・マン24時間レースでの勝利を称え、マクラーレンがモータースポーツ3冠を達成したことを祝う美しいアートワークが施されている。
マクラーレンは今年、アイルトン・セナが亡くなってから30年という節目に、モナコGPで2台の特別なマシンを公開した。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリがドライブする「MCL38」フォーミュラ1マシンに施されたワンオフのカラーリングに加え、マクラーレン「セナ」にセナ・センプレのカラーリングを採用。マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)のエキスパートが手描きしたアートワークが施されたこのユニークなクルマは、サーキットでのセナへの大胆なオマージュであり、彼のカラフルな個性を表現している。このマシンは北米で初公開され、セナがレースでドライブした2台のF1マシンとともに展示された。
マクラーレン・トロフィー・アメリカ選手権は2025年に開催される。サーキットで育まれたDNAに基づくマクラーレンの専用のレーシングカーを対象としたこの選手権は、3月に開幕し、インディアナポリス・モーター・スピードウェイとサーキット・オブ・ジ・アメリカズでのレースを含む全10戦が予定されている。このシリーズは、アマチュアのGTドライバーやプロを目指すドライバーに競争力のあるレースの機会を提供する。そしてザ・クエイルでは、このシリーズに関するエキサイティングな発表も行われた。
AMWノミカタ
この「M23」フォーミュラ1モデルのカラーリングを見て懐かしいと思う人は多くいるのではないだろうか。1974年からマルボロがマクラーレンチームのスポンサーとなり1996年の「MP4/11」までこのマクラーレンを象徴する白と赤のカラーリングは継続する。
1974年の第1戦であるアルゼンチンGPがマルボロ・マクラーレンのデビュー戦となった。地元のロイテマンがドライブするブラバス「BT44」がレースの大半を支配するも残り2周でマクラーレンのデニス・ハルムがマシントラブルを抱えたロイテマンをかわし、さらに最終ラップで燃料切れを起こしたロイテマンがクルマを止めたことでマクラーレンに勝利がもたらされるという劇的な幕切れだった。
そしてその瞬間からマクラーレンのその後の快進撃が始まったと言える。
今回の「ザ・クエイル」でのM23の展示は昔を懐かしむオールドファンと、その精神を引き継いだ現代車のファンとをつなぐ素敵な空間となったのである。