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サーキットで事故った場合は警察に連絡する? ガードレールを壊した際の修理費は請求される? 今さら聞けない基本の疑問を解決します

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: photo AC/AMW

  • サーキット走行中にクラッシュした場合に備えて専用保険に加入すると安心だ
  • 事故によって大切な相棒を失うのは悲しい……(写真はイメージです)
  • ドライビングテクニックを磨きたいなら、クローズドコースのサーキットで練習するのが王道だ
  • 初心者向けから本格レースまで、サーキット走行にはさまざまなカテゴリーがあるので自分に合ったプログラムを探してみるといいだろう
  • サーキットの設備を破損すると高額な費用を請求されることがある
  • サーキットでの事故では警察が介入することはほとんどない
  • 消火器はレースのカテゴリーによっては義務化されており、目的は説明するまでもなく車両火災を早い段階で鎮火させるため
  • サーキットでクラッシュしたドリフト車のイメージ
  • 事故によって大切な相棒を失うのは悲しい……(写真はイメージです)

サーキット走行のギモンを解決! クラッシュしたらどうなる?

ドライビングテクニックを磨くために、サーキットでのスポーツ走行を楽しんだり、レースに参加する人も多くなっています。いっぽうで、費用や車両の問題など、諸事情によってサーキット走行に尻込みしている人も少なくありません。とくに心配なのが、サーキットでクラッシュした場合です。ドライバーの刑事責任や損害賠償などはどのようになっているのでしょうか。そんなサーキット走行における疑問にお答えします。

サーキット用保険に加入しておくと心強い

どんなベテラン、プロドライバーであっても、サーキットでクラッシュする可能性はゼロじゃない。一般公道なら警察や保険会社に連絡して処理するが、クローズドされているコースではどうなるのだろう。

大前提として知っておくべことは「自己責任」であり、仮に他のドライバーや施設側に原因があったとしても、自分のクルマは自分で修理するのがサーキットなのだ。走行会や競技会のエントリー用紙には必ずその旨が記載されており、よく読んで誓約書にサインしなければ参加そのものが認められない。

またサーキットの事故に対して通常の自動車保険は、どんな高額な車両保険に入っていようと適用されず、何もかも自腹での修理になることも理解しておこう。ただし、これはあくまでも車両に関しての話で、ドライバーのケガにはある程度の保障がある。いわゆる掛け捨てタイプの傷害保険で入院や手術、後遺障害や死亡に際して見舞金が給付されるのだ。

なお近年はモータースポーツが趣味として広く認知されたのか、サーキット走行や競技を対象とする保険が増えているようだ。内容は保険会社やプランにより異なるものの、マイカーの修理はもちろん医療費、さらにガードレールをはじめ施設の備品までカバーしてくれるのは非常に心強い。保障が充実しているだけに加入料は安くないし、車種やドライバーの年齢による違いもあるので、気になる人はインターネットで検索してみよう。

サーキットの設備を破損させたらどうなる?

続いてはサーキットの備品代について。請求されるのはガードレールやタイヤバリア、クラッシュパッドなどを破損させたときで、上記の保険に入っていなければ自腹となる。スポーツランドSUGOならガードレール1枚につき2万5000円~3万5000円、支柱の交換が1本あたり3万円で調整が同じく7000円と決まっている模様。クラッシュパッドは規格の違う3タイプを併用しており、もっとも高額なモノは本体だけで20万円になるという。ほとんどのクラッシュではカバーも破損するのでそれも追加されるし、車両火災が発生すれば消火器代として1本につき1万5000円~3万8000円、さらにオイル処理剤や塗装用のスプレーなども負担しなければならない。

もうひとつ注意したいのはタイム計測の発信機で、8万円と高額なうえ脱落による紛失もたまにある。それらが重なれば請求額が50万円に達するどころか、過去には100万円を超えたケースもあるとのことだ。国際格式サーキットはFIAから公認を受ける都合上、高いレベルの安全設備をつねに維持する必要があり、備品などが高額になるのは必然といっていいだろう。規模の小さいミニサーキットも備品代に大きな差はないが、中古品を使うなどして請求額を抑えてくれる可能性がある。もっともそれはあくまでもサーキット側の好意でしかなく、国際格式じゃないから安いと勝手に思うのは大きな誤りだ。

余談だがサーキットのコース内で起きた事故に警察が介入することは、ドライバーが死亡しない限りほぼあり得ず免許の点数にも影響しない。何もかも自己責任と聞くと初心者は不安に感じるかもしれないが、一般道で飛ばすよりもすべてにおいて安全なのがサーキットだ。くれぐれも自分のテクニックやクルマを過信することなく、安全マージンを残したうえでスポーツ走行を楽しんで欲しい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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