世界中から集まった現代のベントレーボーイズ&ガールズ
世界のベントレー愛好家たちが愛車を日本に持ち込み、24日間かけて日本の風土を楽しむという壮大なツーリング「BENTLEY RISING SUN RALLY 2024」が2024年4月に開催されました。しかも参加車両の半数を占めているのは車齢100歳近くのモデルで、一番古いクルマは1923年製だというから驚くほかありません。日本メディアがあまり大々的に取り上げなかったこのツーリング、どのようなイベントだったのでしょうか。
イギリスの超名門ベントレークラブが企画
このイベント「BENTLEY RISING SUN RALLY 2024」を企画したのは、1936年に英国で設立された、世界で最も歴史のあるワンメイクの自動車クラブのひとつ「BENTLEY DRIVERS CLUB」(以下BDC)だ。
全世界に愛好家を持ち約4000人のメンバーが在籍している同クラブであるが、今回はオーストラリアのメンバーにより企画され、世界中のBDCメンバーに告知したところ、31台のメンバーが集まった。
運営は2017年のクラシックカーラリー「SAMURAI CHALLENGE」や「Grand Tour Musubi Japan 2021」といった、同様のグランドツーリングを実施した実績をもち経験豊富な株式会社MUSUBIが担当。
そして、まだ日本からは誰も参加していなかった時代から欧州のヒストリックラリーへ出場し、国内でもヒストリックカーラリー黎明期よりイベントを主催している岡田邦雄さんが、その行程をサポートした。
31台全てが3491kmのグランドツーリングを走破
世界7カ国から集まった31台のベントレーは、その半数が車齢100歳近くのヴィンテージモデル。そしてクルマの年式もさることながら、平均年齢が70歳を超えているオーナーたちが、出発地である福岡県にあるホテル、ヒルトン福岡シーホークに世界各国から集まった。
2024年4月5日に福岡をスタートし、24日間かけて別府~広島~松江~天橋立~京都~高山~金沢~佐渡~裏磐梯~日光~蓼科~富士~伊豆というルートで24府県を経由しゴールの横浜を目指すという、全行程3491kmに及ぶ壮大なツアーを行った。
最終行程では、静岡県の富士モータースポーツミュージアムを見学し、愛車のメンテナンスに1日をリザーブしてゴール横浜を目指す。出発準備を終えた31台の貴重なベントレーたちは、富士スピードウェイのメインゲート前にて記念撮影し順次スタート。
沼津、西伊豆を経由し、伊豆スカイラインで箱根・芦ノ湖を経由し横浜へという、それなりの距離を走行する最終ルート。ここに至るまでの道のりではさまざまなトラブルもあったが、ほとんど自身の手により修理・解決してきたオーナーたち。市街地での渋滞による水温の上昇くらいでは、ことさら騒ぐこともなく愛車を労わる運転などお手のもの。大小さまざまなアクシデントを乗り越えてきた31台すべてのベントレーが横浜に到着し、この壮大な日本の旅を終えたのだった。