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24年ぶりに公道復帰したMG「ミジェット」…再生中に何度も水回りの爆発に見舞われながらもついに完成! カーポートの下、2年かけてレストアした成果を御覧ください

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • MG ミジェット1500:フロントもバンパーレス化し、フォグランプを装着。サスペンションやブレーキは、いまのところ純正
  • MG ミジェット1500:リアをバンパーレス化しているので、クラシックミニ用のナンバープレート台を流用
  • MG ミジェット1500:純正鉄チン13インチホイールをチタンカラーと艶消しブラックで再塗装。145/80R13サイズのダンロップEC202を組み合わせている
  • MG ミジェット1500:「Bless的趣味車ツーリング Vol.22」は、2024年5月26日に伊香保を目的地として開催された
  • MG ミジェット1500:全面を覆うことができるトノカバーを常備しており、今回のツーリング時にも活躍
  • MG ミジェット1500:マフラーは純正を切ってショート化し、スポーティな雰囲気を演出している
  • MG ミジェット1500:購入時の総走行距離は7万2700kmで、現在は7万3295km。これから順調に伸びていくはず
  • MG ミジェット1500:ステアリングホイールはモトリタのレザーで、チタン削り出しシフトノブを装備。メーターやシートは純正で、カーペットは張り替えている
  • MG ミジェット1500:エンジンはロッカーカバーをペイントしたぐらいで、燃料供給装置を含め、ノーマルのまま乗っている
  • MG ミジェット1500:今後、悪天候時に普通に乗れるクルマを増車したいと話してくれた小幡さん(写真右)にとって、クルマは自分を映す鏡とのこと

英国が生んだコンパクトなオープン2シータースポーツ

1961年にイギリスでデビューしたMG「ミジェット」は20年近くにわたり生産された、小型オープン2シータースポーツカーのロングセラーです。1974年以降は「ミジェット1500」となり、北米の安全基準に合わせた大きなウレタンバンパーが特徴となりますが、ここで紹介する小幡さんの1979年式はスッキリとした佇まいで美しく仕上げられています。しかしここまで直すには並々ならぬ苦労があったのだとか……。詳しく話を聞いてみました。

車検が切れて24年も経ったクルマを2年かけて再生

東京で輸入車&クラシックカーを手がけるオートモービルアシスト・ブレスでは、ユーザーを中心とした自動車趣味人に楽しく走れるシチュエーションを提供するべく毎年春と秋にツーリングを実施している。2024年の春、5月26日に開催された「Bless的趣味車ツーリング Vol.22」では非常にコンディションの良いMG「ミジェット1500」を発見したので、オーナーに詳しく話を聞いてみた。

「この1979年式のMG ミジェット1500は、とある倉庫で見つけたんですよ。それで、ご縁があって、車検が切れて24年も経ったクルマがわが家にやってくることになり、カーポートの下で2年かけて再生しました」

そのように話してくれた小幡勝士さん(取材時年齢53歳)はオートモービルアシスト・ブレスのメカニックで、同スペシャルショップにて一緒に働いている若い整備士の塩田ナオキさんを助手席に乗せ、群馬の伊香保を目的地とした自社のツーリングを楽しんでいた。

「手元に来てから約3年、ナンバーを付けてから8カ月になります。ツーリングを楽しんだり、イベントに参加する際に乗っています。いまでこそ完調ですが、この状態に持っていくまでの道のりが大変でした。エンジンがやっとかかるようになった頃、アイドリングさせながら点検していたら、突然、漫画のように水蒸気が立ちこめ、ヒーターが爆発して車内がクーラントだらけになりました。再生中に何度も水まわりが爆発しましたね」

四半世紀ぶりに公道復帰できたのが何よりの自慢

小幡さんはメカニックなので、そのようなトラブルも自分のクルマに発生した面白いエピソードとして捉えているそうだ。ミジェット1500を少しずつ直し、キレイになって健康になっていく成長過程をつぶさに見ながら愛車を育てていく、旧車ならではの楽しさがある、とも話してくれた。

「今回、一度に四半世紀分の修理をしました(笑)。ということで、愛車をイジるのは、これからのお楽しみということになります。とはいえ、すでに北米仕様の5マイルバンパーやサイドリフレクターを外し、テールランプの下の膨らみをFRPで作りました。フロントマーカーは、アルミ板から製作したプレートで固定。内装はレッドに変更。ヘタったシートはアンコを増して、シフトノブはチタンの削り出しにしました。とくにお気に入りなのは、チタンカラーと艶消しブラックで再塗装した純正ホイールです。いろいろやりましたが、とにかく四半世紀ぶりに公道復帰したのが一番の自慢ですね!」

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