いつの時代も廃れない定番スタイル
今からさかのぼること35年前、1989年にトヨタ初代10型「セルシオ」は華々しいデビューを飾りました。当時の富裕層をターゲットに登場したセルシオは、レクサスの最上級モデルである「LS」をベースにメルセデス・ベンツ超えを狙って快適装備の充実を図りました。老舗ブランドのひとつWALD(ヴァルド)は、10型セルシオをベースにVIPカーとして演出するボディキットをラインアップ。今見ても古さを感じさせないアーバンテイストに注目です。
VIPカーの火付け役となったのが初代セルシオ
我々がよく知るカスタム、ドレスアップ文化は今でこそ細分化されているが、トヨタ初代10型「セルシオ」が登場した頃の専門誌を見ると、スポーツカー、セダン、ワゴン、ミニバン、軽カーといったオールジャンルなドレスアップ誌が成り立っていた時代だった。
そんな中で、少しずつ変化の兆しが見えはじめていた時代に多くのユーザーが注目し、一大ブームが巻き起こったのがVIPカーの分野だ。そして、その火付け役となったのが、世界の高級車に影響を与え、新たな時代の道しるべとなった初代10型セルシオだった。このクルマの出現によってVIPカーがより一層注目され、数多くのアフターパーツメーカーが参入、こぞってオリジナルエアロパーツを開発。
古くから存在しているBMW、メルセデス・ベンツのカスタムを手がける欧州チューナーの手法にならって、VIPカーをさらに超える特別仕様のVIPカーとして主張するスタイルの誕生に業界が湧いた。
リバイバルカーとして再注目されている
現在VIPカー業界は落ち着きを見せているが、じつは原点回帰という言葉とともに、再び熱を帯びてきた。その起点になっているのが、旧VIPと呼ばれるVIPカー創世記に人気があったモデルだ。中でも筆頭として挙げられるのは、当時と変わらず人気が続いている10型セルシオである。
あの時代、高価だった10型セルシオも、現在は十分に遊べるベース車として捉えられるようになった。そうした発想で昔乗っていた10型セルシオを購入し、再び昔のテイストを楽しむ。あるいは、昔憧れたクルマを大人になった今乗って楽しむ。そうした形のリバイバルカーとして再注目されている。