「TOYOTA GAZOO RACING THAILAND」は7回目の挑戦で見事優勝
2024年8月12日(月)にタイ南部の街スラタニからスタートしたアジアクロスカントリーラリー(AXCR)2024は、タイ北部への移動を重ねつつ、8月17日(土)にタイ北部の街カンチャナブリでついにゴールを迎えました。4輪車は46台を集め(2輪車とサイドカーは計21台)、6日間にわたる総移動距離2000kmの一大ラリーレイドは、TOYOTA GAZOO RACING THAILANDの初優勝という形で終了しました。
正面衝突もあった最終日
アジアクロスカントリーラリー2024の最終日レグ6は、146.72kmと走行距離も短いが、たまに「ここで?」と思うようなどんでん返しがあるという。ここまでの数日と同様に多くのエントラントがコマ図に悩まされ、これと格闘する1日となった。そんな中でコースを戻る4輪車とサイドカーとの正面衝突もあり、なかなか厳しい最終日となった。
その中でも5日目で暫定総合トップとなっていた105号車のMana PORNSIRICHERD/Kittisak KLINCHAN組(TOYOTA GAZOO RACING THAILAND)のトヨタ「ハイラックスレボ」は、ここであえて無理な先行はせず、後ろから来たいすゞ勢に道を譲っていた。14分差を守り切ればよいということで、トップから10分遅れの6位でフィニッシュした。
これで「TOYOTA GAZOO RACING THAILAND」は参戦を始めて7回目の挑戦で見事優勝を果たすこととなった。最終的には午後3時過ぎ、全車がセレモニアルフィニッシュの行われるスカイウォーク・カンチャナブリ・シティに集まり、1台ずつフィニッシュアーチの下をくぐった。
日本チームは塙 郁夫/染宮弘和組が総合4位
ちなみに、この日のベストタイムは、Suwat LIMJIRAPINYA/Prakob CHAOTHALE組の112号車(1時間28分44秒/ISUZU D-Max/T1D)、106号車のThongchai KLINKATE/Banpoth AMPORNMAHA組(1時間34分15秒/ISUZU D-Max/T2A‐D)、そして108号車のDitsapong MANEEIN/Atikij SRIMONGKHOL組(1時間37分17秒/ISUZU D-Max/T1D)と、上位3台をISUZU SUPHAN EXPLORER LIQUI MOLY RALLY TEAMのいすゞ「D-MAX」3台が独占するという形で終わった。日本人最上位は塙 郁夫/染宮弘和組の115号車トヨタ「フォーチュナー」が7番手(1時間39分39秒)であった。
この6日間のラリーレイドの結果は、総合優勝した105号車(14時間22分00秒)に続き、2位に112号車(14時間25分47秒)と3位に106号車(14時間36分24秒)と2台のいすゞD-Maxが入った。日本人では総合4位に115号車の塙 郁夫/染宮弘和組(TOYOTA GAZOO RACING INDONESIA/14時間56分48秒)、そして5位には、三菱ラリーアートチームの最上位となった田口勝彦/保井隆宏組の107号車三菱トライトン(Team MITSUBISHI RALLIART/15時間34分52秒)という結果となった。
チームアワードでは総合2位、3位を獲得した「ISUZU SUPHAN EXPLORER LIQUI MOLY RALLY TEAM」が優勝となり、総合4位の塙 郁夫組と7位の青木拓磨組を擁した「TOYOTA GAZOO RACING INDONESIA」がチームアワード2位に入った。
優勝したMana PORNSIRICHERD/Kittisak KLINCHAN組はこの9月6日~8日に北海道で開催されるラリー北海道のXC-2クラスにゼッケン112 トヨタ「ハイラックス ファーストフォワード」でAXCR勝者として参戦することになる。
1週間にわたるアジアクロスカントリーラリー2024は、これで終了となった。毎年、山岳地帯やジャングル、沼地、海岸、砂漠、プランテーション、サーキットなど、アジアの特徴あるコースが設定されて開催されているFIA・FIM公認国際クロスカントリーラリーのひとつであるこのラリー、2025年は記念すべき30回大会となる。また新たなコースが設定され、多くのラリーレイドファンを魅了するレースが展開されるだろう。