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ロータス、EVの販売目標を大幅下方修正…2024年上半期はブランド史上最好調を記録しているのになぜ?…マーケティング費用がかさみすぎか!?

ロータスが2024年上半期の決算を発表。総出荷台数は前年同期比239%増の4873台を記録した

ロータスが2024年上半期の決算を発表

ロータス・テクノロジーは2024年上半期の決算を発表し、販売台数はブランド史上最も好調となりました。世界中にある200以上の店舗を活用し、2024年上半期に各地域が総配送量の20~30%を占めるバランスのとれたグローバル配分を達成しました。またブランド再参入後の米国デリバリーが大きく貢献しています。「Win26」という戦略計画や中東6カ国での販売が開始され、期待が高まるロータスの上半期のパフォーマンスを見ていきます。

総出荷台数は前年同期比239%増の4873台を記録

ロータス・テクノロジーは2024年の上半期、総出荷台数で前年同期比239%増の4873台を記録したと発表した。モデル別に見ると、「エレトレ」および「エメヤ」などのライフスタイルモデルであるSUVおよびセダンは前年比174%となる2389台を販売し、「エミーラ」などのスポーツカーも前年比337%の2484台を記録している。この結果から、ライフスタイルモデルとスポーツカーがほぼ同じ比率で販売されていることが分かる。

地域別のデリバリー台数はヨーロッパが1459台と1番多く、全世界の30%を占め、それに北米の1278台、中国の1208台と続く。2023年の上半期はヨーロッパやアメリカでの販売はほぼなかったため、純増となっている。中国は2023年に965台を販売しており、25%増と順調な成長を続けている。

2024年上半期の売上は3億8300万ドルで前年同期比207%増となったが、ロータス・テクノロジーがインテリジェント・ドライビング・ソリューションと研究開発サービスを複数の大手自動車ブランドに提供を開始したため、技術関連収入が前年同期比194%増の1500万ドルとなった。最先端のハードウェアを搭載した車種が納車されていることから、有料ソフトウェアサブスクリプションは将来の成長の原動力となる可能性がある。

ビスポーク・サービス「ロータス・チャップマン・ビスポーク」は、高まる需要に応えるために2024年上半期から開始。ビスポークモデルはロータスのラグジュアリーなポジショニングをさらに高め、ロータスの長期的な粗利益率に貢献すると期待される。しかし、変化する市場環境と米国およびEUの新関税政策がもたらす不確実性を評価した結果、2024年の販売目標を1万2000台に下方修正している。

AMWノミカタ

ロータスは2024年度から本格的にEVモデルの販売を開始したので対前年比の販売の数字が大きく出ることは当然であるが、本来はもっと大きな数字を期待していたのではないだろうか。2023年の決算リリースでは2024年の販売目標を2万6000台と語っており、今回の1万2000台への下方修正は残念な結果に違いない。

また本文では触れていないが、総売上高以上の営業損失を記録しており損失額が昨年以上に拡大している点が気になる。この増加は事業拡大に伴う販売・マーケティング費用によるものだと言われている。しかし、良いニュースもある。「Win26」と呼ばれる社内のプロセスと構造をさらに最適化し、全体的なコスト対策を実施。グローバルに多様化する市場に対応するために製品計画を再調整するプロジェクトが稼働した。

また、GCC諸国(湾岸協力理事会/サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンの6カ国)での販売が開始される。ここ数年は新モデルの投入、マーケットの拡大、コストの改善と大きな仕事を並行して行うことになるが、新生ロータスの経営基盤が安定し、これまで以上に魅力的なプロダクトを供給してくれることを期待したい。

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