激しい走りに対応できるチューニングを施す
また、見た目以上にこだわって作ったエンジンについては、排気量を2000ccまでボアアップしたユニットに亀有エンジンワークス製ピストン、クランクなどを使ってチューニング。ボーリング、ホーニング、ポート研磨、ビッグバルブ、ハイカムを組んだメカチューンドエンジンは、5ZIGEN製マフラーによって腹の奥底に轟く排気サウンドを吐き出す。その力強い排気脈動からも、普通の旧車ではないことを印象付けていた。
“楽昭会計”さんは見た目だけ重視のお飾り旧車には乗らない主義なので、このクルマは峠を攻め、サーキットにおいても楽しめるセットを組む。激しい走りに対応できるメニューとして、トランスミッションは日産「バイオレット」用5速に換装し、クラッチは強化メタル製、LSDは機械式でファイナルを3.9に交換して駆動系とギア比をまとめ上げる。
サスペンションはパーツアシスト製車高調キットを軸に各アーム類、スタビを強化タイプに交換し、アライメントを含めてきっちり調整。これまでの走りの経験値を踏まえたセッティングを施す。また、アライメント調整については、グリップもドリフトも楽しむ仕様としてトーとキャンバー角にこだわってセットアップ。
完全に仕上がったと言える“楽昭会計”さんの510型ブルーバード。はたしてこのクルマはこれで完成かと聞くと、今のところは大満足という回答だった。走りもスタイルもキマッているので、残すはこのクルマが活躍し、華々しく輝いた頃の歴史を汚さないように伝説のチャンピオン、BRE TransAM510のカラーに恥じない走りをすること。
「クルマに恥じないためにも、自らのドライビングテクニックを磨くことが課題です」
と話してくれた。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)