5年ぶりの日本訪問とファンとの再会を楽しみにしている
──さて、間もなく富士スピードウェイでWECの日本ラウンドが開催されます。あなたの多くの日本のファンが富士での再会を心待ちにしていると思います。
ロッシ:以前はテストやイベント、MotoGPのレースへ毎年何度も日本へ行くことが、私にとっては年間のスケジュールで楽しみであり、その状況がごく当たり前でした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止策でMotoGPの多くのレースが中止され、日本グランプリもその影響を受けてしまいましたし、私が引退を決めた年の2021年もまだ完全に感染拡大が収まっていないということで、2020年に続き再び日本グランプリが中止となって非常にがっかりしました。私が日本を最後に訪れたのは2019年のことですから、ずいぶんと長い年月が経ってしまったな、と改めて実感します。しかし、じつに5年ぶりとなる日本への渡航が間もなく実現しますので、WECにシリーズ参戦が決まった時から日本への渡航をとても楽しみにしていました。
初走行の富士への備えは万全。MotoGP時代のヤマハスタッフにも会いたい
──あなたはもてぎや鈴鹿はおそらく数えきれない程にテストやレースで走ったことがあるでしょうけれど、富士を走るのは初めてですか?
ロッシ:富士にはまだ行ったこともなければ、コースを実際に走ったこともないので、富士に行けると分かった時からシミュレーターで何度も練習をしています。
富士でのレースはWEC最終戦のひとつ手前のレースで、チャンピオンシップ争いのポイント獲得にも非常に重要な意味を持つラウンドとなります。また、私をMotoGP時代から長く応援し続けてくれている熱心な日本のファンの皆さんとやっと5年ぶりに再会が出来るとともに、数多くのモータースポーツファンと新たにお目にかかれる日が間もなく訪れることを、心から楽しみにしています。
──5年ぶりの来日にレース以外で楽しみにしていることもあるのでしょうか?
ロッシ:私は日本にいる旧友たち、そして私をMotoGP時代に支えてくれたヤマハのエンジニアや関係者ともコロナ禍以降に日本での再会を必ず果たしたいと願っていますし、その日が近づいていることにワクワクしています。
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幼少の頃から日本人ライダーに憧れていたロッシは、MotoGPを引退した後も日本や日本のライダー、バイクメーカーへの強い尊敬の意を表し続けている。また、その気さくで飾らない性格、そしてどんなに多忙なレースウィーク中にも、公式プログラムに組み込まれているドライバーサイン会以外に、1日に何度も別途個人的にファンサービスをしてくれる。時間の許す限りファンとの交流の機会を設けて、遠くから足を運んでくれたファンに1人ずつ丁寧に対応することでも有名で、MotoGPの現役を退いた後もそのファンへの真摯な態度は変わらず、その人気は全く衰えることはない。AMW読者のみなさん、富士でのロッシの活躍を応援しようではありませんか。