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【来日直前独占インタビュー】ヴァレンティーノ・ロッシ選手が5年ぶりに来日!…BMWの4輪ドライバーとしてWEC第7戦富士での意気込みと、日本でしたいこととは?

WEC第7戦富士にBMWから参戦するロッシ選手

ヴァレンティーノ・ロッシ選手の4輪での活躍が富士で観られる!

待ちに待った2024年9月13(金)~15日(日)に富士スピードウェイで開催される2024 FIA 世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士6時間耐久レース。WEC/ル・マンの最高峰クラスに25年ぶりの復帰となったBMWのマシンを駆るのは、MotoGPで華々しい戦績を残したイタリアの英雄、ヴァレンティーノ・ロッシ選手です。富士での戦いを前に、今の心境や意気込みをAMWに語ってくれました。また彼の愛車についての話や、日本のファンに向けた言葉をお届けします。

MotoGP引退後、45歳になった今も精力的に第一線で活躍

BMWは2024年シーズンからハイパーカークラスへNo.15とNo.20を掲げて2台のBMW「M ハイブリッドV8」を駆り、WEC/ル・マンへの最高峰クラスへはじつに25年ぶりに復帰となった。同クラスでは強豪トヨタを筆頭に、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、プジョー、アルピーヌ、ランボルギーニというそうそうたるブランドがしのぎを削る。一方で、今季からはWEC/ル・マンへはGT3マシンクラスが新規導入されたことで、No.46とNo.31のBMW「M4 GT3」もWEC、そしてル・マン24時間レースで輝かしくシリーズデビューを飾った。

ライダー時代から継続して使用するNo.46を掲げたBMW M4 GT3を駆るのは、MotoGP引退後はGTドライバーへと転向したイタリアが誇る英雄、ヴァレンティーノ・ロッシ選手。2023年にはBMWと契約を交わし、ワークスドライバーに就任、そのタフさは現役ライダー時代からの衰えを全く感じさせない。今季は昨年同様にGTワールドチャレンジ ヨーロッパのエンデュランスシリーズに加え、新たな挑戦としてWECにシリーズ参戦と念願であるル・マン24時間レースへの参戦切符を手に入れ、45歳になった今も精力的に第一線で活躍する。

新型コロナウイルスの感染拡大防止策が強化されているさなかの2021年のシーズンをもってMotoGPからの引退を発表したのだが、その年の日本グランプリの開催が見送られたこともあり、引退前の最後となる日本での活躍を見せることができずに気になっていたというロッシ選手に、目前に迫るWEC富士戦へ向けての想いや、ライダーの現役時代から熱狂的なMモデルのファンだという彼自身の愛車について聞いた。

M3を乗り継ぎ、ファミリーカーはXM

──あなたがBMWのワークスドライバーになる随分と前から、M好きだというウワサはかなり有名ですが、それは本当なのでしょうか?

ロッシ選手(以下、敬称略):私はプライベートでは長年のM好きで、ビッグカスタマーのひとりと自負していますね。MotoGPのシリーズチャンピオンになった際にはMモデルを副賞として頂いていますが、それ以外で私がプライベートで初めて自費でMを購入したのは今からちょうど25年前のことでした。イタリアでもMモデルの人気は当時から相当なもので、M独特のパワフルでスポーティでありながら、他社とは一線を画すデザイン性の高さに多くのイタリア人が魅了されましたが、私もすっかりそのひとりで、じつにMオーナー歴は25年です。私がMモデルで最も気に入っている点は、なんと言ってもFR! もともとはバイク乗りですから、コーナーを攻めた走りやスライド走行は大好きなんですよ(笑)。

(ロッシは故郷であり、現在の居住地でもあるイタリアのタヴッリア村に、モトクロス等もできる専用コースを所有しているので、ドリフト遊びも公道ではなく私道で存分に楽しめる)

──今のあなたのイタリアでの日常に乗っておられる愛車も「M3」?

ロッシ:もちろん、今もM3に乗っていますよ。私には幼い娘や第2子を妊娠中のパートナーがいますので、ファミリーカーとしては「XM」を所有しています。25年前に手に入れたM3以来、歴代のM3と「M5」を乗り継いでいますが、M3の方がM5に比べて車両も若干コンパクトで軽量ですから、スポーツ走行にはM3の方を好んで乗り継いでいます。

5年ぶりの日本訪問とファンとの再会を楽しみにしている

──さて、間もなく富士スピードウェイでWECの日本ラウンドが開催されます。あなたの多くの日本のファンが富士での再会を心待ちにしていると思います。

ロッシ:以前はテストやイベント、MotoGPのレースへ毎年何度も日本へ行くことが、私にとっては年間のスケジュールで楽しみであり、その状況がごく当たり前でした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止策でMotoGPの多くのレースが中止され、日本グランプリもその影響を受けてしまいましたし、私が引退を決めた年の2021年もまだ完全に感染拡大が収まっていないということで、2020年に続き再び日本グランプリが中止となって非常にがっかりしました。私が日本を最後に訪れたのは2019年のことですから、ずいぶんと長い年月が経ってしまったな、と改めて実感します。しかし、じつに5年ぶりとなる日本への渡航が間もなく実現しますので、WECにシリーズ参戦が決まった時から日本への渡航をとても楽しみにしていました。

初走行の富士への備えは万全。MotoGP時代のヤマハスタッフにも会いたい

──あなたはもてぎや鈴鹿はおそらく数えきれない程にテストやレースで走ったことがあるでしょうけれど、富士を走るのは初めてですか?

ロッシ:富士にはまだ行ったこともなければ、コースを実際に走ったこともないので、富士に行けると分かった時からシミュレーターで何度も練習をしています。

富士でのレースはWEC最終戦のひとつ手前のレースで、チャンピオンシップ争いのポイント獲得にも非常に重要な意味を持つラウンドとなります。また、私をMotoGP時代から長く応援し続けてくれている熱心な日本のファンの皆さんとやっと5年ぶりに再会が出来るとともに、数多くのモータースポーツファンと新たにお目にかかれる日が間もなく訪れることを、心から楽しみにしています。

──5年ぶりの来日にレース以外で楽しみにしていることもあるのでしょうか?

ロッシ:私は日本にいる旧友たち、そして私をMotoGP時代に支えてくれたヤマハのエンジニアや関係者ともコロナ禍以降に日本での再会を必ず果たしたいと願っていますし、その日が近づいていることにワクワクしています。

* * *

幼少の頃から日本人ライダーに憧れていたロッシは、MotoGPを引退した後も日本や日本のライダー、バイクメーカーへの強い尊敬の意を表し続けている。また、その気さくで飾らない性格、そしてどんなに多忙なレースウィーク中にも、公式プログラムに組み込まれているドライバーサイン会以外に、1日に何度も別途個人的にファンサービスをしてくれる。時間の許す限りファンとの交流の機会を設けて、遠くから足を運んでくれたファンに1人ずつ丁寧に対応することでも有名で、MotoGPの現役を退いた後もそのファンへの真摯な態度は変わらず、その人気は全く衰えることはない。AMW読者のみなさん、富士でのロッシの活躍を応援しようではありませんか。

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