スチール、カーボン、アルミを使用して製作
フレームは塗装されたスチール製で、本物のシャシーが取り付けられている。リーフスプリングとスケールダウンされた当時のフリクションダンパーが快適な乗り心地をもたらし、フロントはブレンボ製ディスクブレーキ、リアはドラムブレーキが制動力を発揮する。電気モーターはリアアクスル上に搭載され、バッテリーと駆動電子機器はすべて隠されたアンダートレイに収められている。
ボディワークは2分割されており、リアボディ構造はアッシュフレームではなくカーボンファイバー製だが、オリジナルと同様に含浸ファブリックで覆われている。複数の冷却ルーバーを備えたボンネットは、伝統的な技法を使ってアルミニウムで手作りされ、美しいレザーのバックル付きボンネットストラップで固定されている。2人乗りのコックピットは1+1のレイアウトで、パッセンジャーは後部座席に座る。オプションの特注ウィークエンド・バッグは、スケールダウンして再利用された燃料タンクの後方に収まり、ロック可能なラッチが装備されている。
車体前部のスーパーチャージャーには、車載充電器をタイプ1またはタイプ2のソケットに接続する充電ポートが装備され、ニッケルメッキのラジエターハウジングに収められた有名なベントレーのメッシュグリルに囲まれている。
現代のクルマに必要な機能を備えながらもオリジナルを再現したスイッチ類
一見したところ、ダッシュボードはオリジナルを縮小したレプリカのようで、エンジンターンドアルミニウムがダッシュボードそのものを形成している。燃料加圧ハンドポンプはドライブモードセレクターとして再利用され、コンフォート(2kW)、ベントレー(8kW)、スポーツ(最大出力15kW)から選択できる。
前進、ニュートラル、後進は、オリジナルのブロワーにあったイグニッション・アドバンス・コントロールのような見た目のレバーで選択する。ヘッドライトとインジケーター用のその他のスイッチ類は、チームカーのマグネット・スイッチのフォルムと素材感を模倣し、バッテリー充電計はオリジナルの電流計を再現している。
USB充電ポイントは必要な時まで目立たないように隠されており、ガーミンのサテライト・ナビゲーション画面とリバース・カメラを兼ねたデュアル・ファンクション・ディスプレイがキャビンを完成させている。
AMWノミカタ
ブロワー ジュニアのコンフィギュレーションを確認すると、そのカラーの由来が説明されている。グレーとブルーは本文中でも説明されているが、レッドはティム・バーキン卿が有名なバンクのあるサーキット、ブルックランズでレースするために製作したサーキットカーのカラーに由来し、グリーンは1920年代にベントレーが採用したブリティッシュ・レーシング・グリーンに由来するのだという。ホワイトは戦前のベントレーの時代を超越したスタイルとエレガンスを再現した色である。
このようにクルマだけを再現するのではなく、エクステリアカラーの背景にある物語まで継承することで輝かしいベントレーの歴史がまた100年後に色鮮やかに蘇る。コンフィギュレーター上でカスタマイズできることは少ないが、当時の雰囲気を味わうために見てみてはいかがだろうか。
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