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彼女のトヨタ「クラウン」は当時のハイソカーカスタムを完全再現!「水中花シフトノブ」「シャンデリア」…懐かしアイテムのオンパレードです

トヨタ クラウン:フロントのピッツーラ製バンパーはリップ部に延長加工を施している

当時のハイソカースタイルを再現

バブル経済で賑わっていた1980年代に誕生した「ハイソカー」は、「ハイソサエティカー」の略で、上流階級向けのクルマ=高級車を指していました。今回紹介するトヨタ「クラウン ロイヤルサルーン」は、懐かしさにどっぷり浸れるパーツが満載のハイソカー。その完成されたルックスを見ていきます。

ハイソカー乗り定番のドレスアップ内容とは

かつて大きなブームを巻き起こした「ハイソカー」は、1980年代に販売され大ヒットを記録したトヨタ「マークII」「クレスタ」「チェイサー」の3兄弟を筆頭に、「クラウン」「ソアラ」、日産「セドリック」「グロリア」がハイソカーの代表格として有名で、当時はこのクルマに乗っているだけでモテた。まさに世の中全体が浮かれていたバブル期を象徴するクルマでもあった。

そんなハイソカー乗りはクルマをドレスアップさせ、他人よりも目立とうとする傾向が強くあった。当時の仕様を振り返れば、アルミホイールの交換はもちろん、エアロパーツの装着は必須項目。フェンダーにはメッキのフェンダートリムを装着し、ウインカーを含めたテールカバーはスモークにするのがお決まりだった。

インテリアは光り物で装飾し、ゴージャスなシャンデリアも装着。あの頃はナンパするためのクルマとして、いかにカッコよくムーディーな室内を演出できるかに知恵を絞って楽しむ青春時代だった……と若かりし頃を思い出すクルマ好きも多いはずだ。

クルマ屋のオーナーの趣味で製作

ここで紹介するトヨタ GS121型「クラウン ロイヤルサルーン」はオールブラックのボディにゴールドパーツの組み合わせが近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、このクルマのオーナーは女性でお名前は“ちぃちゃん”さん。「中森明菜が大好きです!」という世代で、年齢はご想像におまかせする。

職業はクルマ屋で、自身の趣味で製作したハイソな愛車は当時をよく知るオーナーを唸らせる仕上がりだ。外装については、ハイソカー乗り定番のピッツーラ(PITTURA)製のフロント、サイド、リアバンパーからなる3点エアロキットを装着し、さらに真鍮製ゴールドフェンダートリムをセットしているのがポイントだ。

また、トランクに装着した巨大なリアウイングは、モータースポーツからのオマージュ。このタイプを「イムサッパネ」と呼ぶ。ちなみに延長して上に跳ね上げたタイプを当時はクジラのシッポにたとえてホエールウイングと呼んでいた。

ホイールはゴージャスな雰囲気が漂うゴールドワイヤースポークのフォルテクス(FORTECS)を選択。今となっては珍しいフォルテクスは、ハイソな仕様を作るうえで当時は憧れのパーツで、一歩抜きん出たドレスアップなんて呼ばれていた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

インテリアは懐かしのアイテムのオンパレード

スモークの窓ガラスによって隠された内装を確認すると、懐かしい当時物だらけの空間が広がっていた。シートはあえて純正モケットのままで、ステアリングはゴールドスポーク+ウッドのナルディに交換し、水中花シフトノブ、ダッシュボードに「金のなる木」のオブジェ、ぐるぐるドリンクホルダーをセット。光り物も多数セットし、ルームランプにシャンデリアを取り付け、光ファイバーランプなど懐かしのアイテムのオンパレード。ルームミラーにパールネックレスをぶら下げるスタイルも当時のお約束であったことを思い出させてくれる。

通常この手のクラウンならば、ハイソなテーマに沿ってAT車がセオリー。「水中花シフトノブ」でピンときた鋭い人もいると思うが、“ちぃちゃん”さんの愛車は5速MT車である。当時はまだMTがあたりまえで、むしろAT車の方が珍しかった時代だ。高級車のクラウンであってもMT派とAT派に分かれていて、今となってはクラウンのMT車は珍しいという理由から乗り続けているというわけだ。

改造が過激化する一歩手前の時期に存在したハイソカースタイルを再現する“ちぃちゃん”さんのクラウンは、ハイソな仕上げでありながらもウインカーやテールランプのブラックアウト化などを含めて、その後に受け継がれるVIPスタイルの原点ともいえる仕上がりのようにも感じた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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