アポロ キャンパーバンはトヨタ ハイラックス4WDがベース
まずは、クルマである。キャンパーバンは、いくつかのメーカーで似たモデルを製作している。とりあえず、インターネットで最初に出てくるApollo(アポロ)というメーカーでシミュレーションすることにした。
ベースはトヨタ ハイラックス4WDで、シャシーに特製のキャンパーユニットを載せた、いわゆるヤドカリスタイルだ。
エンジンは2.8L・4気筒ディーゼル。カタログ上の最高出力は208psとなっている。1993年製の「ドル」はV8だったが、キャンパー部分があまりに重く出力不足を痛感した。現代の高性能車を相手に坂をノロノロ時速30km/hで上るのはストレスが大きすぎた。その点をカズさんに聞くと、「現代のエンジンだし、ドルフィンに比べれば圧倒的に軽いですからね。ストレスなく快適にドライブできましたよ」という。
考えてみれば、アメリカは砂漠といえども、ものすごい坂が目の前に聳え立つ。その点、オーストラリアのノーザンテリトリーは平たい熱帯雨林の大地というイメージがある。きっと国土に合わせた仕様になっているのだろう。
キッチンはボディパネルの外側にレイアウト
装備の一番の特徴はキッチンだ。車内ではなく、左側のボディパネルを開けると冷蔵庫を含めたキッチン一式が現れるようになっている。コンロは引き出し式の台の上に乗っていて、搭載されたプロパンガスをつないで使う。つまり、外で調理をするわけだ。室内にも小さなテーブルがセットできるが、キャンピングテーブルとチェアを積んでおいてアウトドアで食べることを推奨している。電源と水は外部から取ることができる。
ようするに、オートキャンプとモーターホームの中間といった仕様だ。日本に持ってくれば受けるんじゃないか?
ルーフはポップアップ式。屋根を垂直に押し上げて2人用のベッドを確保する。紹介ビデオを見る限りベッドは広く作られていて、男性2人でもいけそうだ。
外付けのシャワーがセットされているが、実用性は低い。サーファーが軽く水を浴びる程度だろう。水のタンクも小さい。外に蛇口があるが、これもあまり使い道はあまりなさそうだ。グレーウォーターのタンクもないから、食器洗いや洗面はキャンプ場の施設を使うことになるからだ。
いくつか気になる点はあるが、ほかの選択肢となるとファミリー向けのコンバージョンになってしまう。1人か2人の旅を想定しているので、冒険心あふれるキャンパーバンがベストだろう。このクルマを相棒に旅のプランを立てることにした。