贅を尽くしたMC20チェロのチューニング・モデルが発表
世界的なチューナーブランドとして垂涎のスーパーカーたちをプロデュースするノビテック（NOVITEC）が、マセラティ「MC20」のオープンモデル「チェロ」のチューニング・モデルを発表しました。マセラティが生み出したデザインを100％尊重し、さらにスリリングで個性的な外観とするために開発された特別なモデルに注目が高まっています。
マセラティらしい快適性に富むオープンモデル
マセラティ「MC12」からじつに16年もの時を経て発表した自社製スーパースポーツの「MC20」。ちなみにMC20とは、MC＝「マセラティ コルセ」、そして同社が新時代の幕開けと定義した2020年を意味するもので、100％モデナで設計することを基本的な理念とした、じつに野心的な1台だった。
そのMC20は当初クーペボディのみでのセールスが行われたが、2022年にはイタリア語で空を意味するCielo（チェロ）のサブネームを持つオープン仕様も追加設定。スイッチ操作で瞬時に透明から不透明状態へと変化するスマートガラスを使用した格納式ガラスルーフを採用するなど、技術的にも見るべき点が多いチェロのオープンボディは、マセラティが伝統とするエレガントさを強く感じさせると同時にパフォーマンス、そしてこれもマセラティらしい快適性にも富むもの。
じっさいに12秒で開閉できるガラスルーフをオープンにしても、キャビンは日本の高速道路程度の速度域ならば十分にラグジュアリーな空間のまま保たれる。
ノビテックがさらなる贅を与える
そのMC20チェロのチューニング・モデルをいち早く発表したのがドイツのノビテック（NOVITEC）だ。マセラティが生み出したエクステリアデザインを100％尊重し、さらにスリリングで個性的な外観とするために開発されたオーダーメイドのネイキッドカーボン製エアロダイナミクス向上パーツが、MC20チェロにナチュラルにフィットされていることは写真からも明らか。それはノビテックによって与えられたさらなる贅と表現してもよい。
ホイールアーチ下のスペースを完全に埋め尽くすホイールは、ほかのノビテック車の多くが採用する、アメリカのVOSSEN（ヴォッセン）社との共同開発による「ノビテック NF11」。このハイテク鍛造ホイールのサイズは21インチ径で、オリジナルのMC20チェロに装着される20インチ径ホイールと比較すると、やはり外観でのその存在感はきわめて大きい。さらにゴールドの塗装、そして複雑なスポークのデザインもまた、MC20チェロの優美なスタイルに強いアクセントを与える大切なアイテムとなっている。
0-100km/h加速で2.8秒、最高速は325キロ超
ミッドに搭載されるパワーユニットも、MC20のデビュー時には大きな話題となったことは記憶に新しい。ネットゥーノと呼ばれるエンジンは、レーシングエンジン譲りの副燃焼室システムを持つもの。3000ccの排気量を持つV型6気筒ツインターボエンジンが発揮した最高出力値、ならびに最大トルク値は630ps、730Nmという高性能を誇る。
ノビテックはNトロニックによるエンジン制御のプログラミングや、インコネル製の軽量ハイパフォーマンス・エキゾーストシステムの採用などで（カスタマーの希望によっては、さらにそれを999ゴールドでメッキ処理すること、あるいはステンレス製を選択することもできる）チューニング。最高出力711ps、最大トルク818Nmを得ることに成功したのだ。
0-100km/h加速で2.8秒、最高速は325km/hを超えるノビテックのMC20チェロ。そのパフォーマンスに前で触れた独自のエアロダイナミクス・パッケージが大きく貢献していることは言うまでもない。個性的なフロントスポイラーや、ダックテールデザインのリアスポイラーに象徴されるように、ノビテックのデザインはすべて、機能という確かな裏づけを持つものにほかならない。
インテリアのフィニッシュもノビテックが得意とするメニューのひとつ。カスタマーのリクエストに忠実に、そして最高級のクオリティで仕上げられ、すでに多くのモデルでファンの心を捕えている。日本でも正規輸入が開始したMC20チェロ。さらなるパフォーマンスと美しさを求めるのならば、このドイツ・チューナーの作への注目度が大きくなるのは当然の結果である。