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目立ち度ならスーパーカーにも負けない! 20世紀末に突如現れた新時代ホットロッドが428万円で落札…今後コレクターズアイテム化は必至!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

今回の個体はコンディションのせいで安価ながら、いずれは人気アイテムになる?

このほど「Goodwood Festival of Speed」オークションに出品されたプロウラーは、1999年モデル。つまり、まだ「プリムス」のブランドを名乗っていた時代の、24バルブ版ということになる。

ボナムズ社のオークション公式ウェブカタログを作製した段階での走行距離は約2万5000マイル(約4万km)。現時点における最新のMoT車検証は2022年6月に切れており、ごく最近、ブースター式バッテリーパックを介して始動・走行したとのことである。

また、キーフォブのバッテリーもパンクしているなど、これから乗るためには一定のメンテナンスが必要となりそうだ。さらに、現時点ではドキュメント類も少ないため、販売時までにさらなる情報が得られることを期待しているという、ちょっと不安含みの出品となっていたようだ。

やや控えめな落札価格を設定

そして、このコンディション上の不安とヒストリーを証明する書類の不備を意識したのか、ボナムズ社は2万3000ポンド~3万ポンド(約428万円〜558万円)という、ちょっと控えめにも感じられるエスティメート(推定落札価格)を設定した。また、この種の比較的安価な出品ロットではよくあることだが「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」での出品となった。

今回のような「リザーブなし」という競売形態は価格の多寡を問わず落札できることから、とくに対面型オークションでは会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が跳ね上がる傾向もある。その反面、たとえ価格が売り手側の希望に到達しなくても、自動的に落札されてしまうリスクも内包している。

しかし2024年7月12日に行われた競売では、リスクに挑んだことが功を奏したのか、終わってみれば2万3000ポンド。つまり現在のレートで日本円に換算すれば、約428万円で無事落札されることになった。

とはいえ、このハンマープライスは、近年の英国におけるプロウラーのマーケット相場よりもやや低めで、やはり現状のコンディションやヒストリーの不明瞭なことが、エスティメートおよび落札価格を引き下げる要因となっていたことは間違いあるまい。

そもそもプリムス/クライスラー プロウラーは、元来の販売計画が5年間の限定生産だったとのこと。したがって総生産台数は1万1702台(ほかに1万1479台説など諸説あり)と、現代的なスポーツカーとしてもかなり希少であることに、持ち前の強烈な個性も相まって、今後はヤングタイマー・クラシックカーとしてさらなる人気を博してゆくことになるものと予想しているのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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