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愛車歴20年の原付カー「アビー キャロット」で1日600〜700キロなら普通に走破! もちろんすべて一般道…ちなみに最高速は60キロです【マイクロカー図鑑】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)

アビー キャロットは4.5馬力のホンダエンジンを搭載

1983年のデビュー以来、タケオカの代名詞ともなっている「アビー」シリーズ。1986年には「アビー3」、1988年には「アビー4」へと進化しつつ、規模は小さいながらもこのジャンルの根強い需要に応えてきた。そして今回ご紹介するタケオカの原付カーは、「アビー キャロット」。基本的には長い実績を誇るアビー4をベースとしたモデルで、そのサイズは全長2150mm×全高1140mm×全幅1450mmとミニマム。重量は160kgで最高速度は60km/h。エンジンには4.5psを発生するホンダの水冷4ストロークOHC単気筒が使われている。

この手の原付カーの多くは、いかにも小規模工房の手作りといった拙いモデルも少なくないが、長い実績に裏打ちされたこのアビー キャロットは、そのデザインも含め完成度は非常に高い印象だ。ボディの四隅に踏ん張ったタイヤ配置は見た目にも安定感を感じさせ、丸みを帯びたフロントノーズに配置された丸型ヘッドライトも、原付カーならではのキュートさの演出にひと役買っている。

そんなアビー キャロットのオーナー“ドクターK”さんは、自身の手で愛車のあらゆる整備をこなし、長距離ツーリングにも頻繁に出かけることでも知られる行動派。原付カー趣味の世界ではかなりのビッグネームだそうだ。

バイクとクルマ合計80台ほど乗ってきた末に原付カー趣味へ開眼!

「もともとはバイク乗りだったんですよ。もちろんクルマも好きで、今までに80台くらいとっかえひっかえ乗ってきました。カート競技もやっていました」

と語る“ドクターK”さんは、やはりかなりの武闘派とお見受けした。

「ところがある時、バイクでもらい事故にあいまして、年齢的にももう少し平和な乗り物にのろうかな、と」

というわけで四輪原付カーの世界に足を踏み入れた“ドクターK”さん。バイクと違って転倒もなく、絶対スピードもほどほど。シンプルなメカは全て自分でいじることもできる。すっかり原付カー趣味の魅力に目覚めて、今までに9台ほどの原付カーを乗り継ぎ、現在はこの取材車を含め2台を所有しているとのこと。

「このアビー キャロットには前オーナーから譲り受けて以来、20年くらい乗っています。完成度が高いから長距離も全然平気ですね。1日600~700kmくらいなら全く問題ないです」

え? でも原付カーは高速は走れませんよね?

「もちろん一般道です。もともと私は下道マニアなんで」

と、九州から四国、北海道まで、下道をどこまでも走り続ける“ドクターK”さんだった。

「年に一度は、仲間と一緒にタケオカ詣でに富山にも出かけます。タケオカの社長さんとは30年来のお付き合いなんです……」

と、“ドクターK”さんとアビー キャロットが長年紡いできた冒険譚は汲めども尽きぬが、こちらはまた別の機会に。

* * *

ちなみに、マイクロカー愛好家の手によるイベント「ALL JAPAN MINICAR MTG(オールジャパン・ミニカー・ミーティング)」が2024年9月29日(日)10時から、埼玉県の川島町役場駐車場で開催されることとなった。この連載で紹介してきた数々のマイクロカーはもちろん、国内外の貴重な車両が数多くエントリーしているので、実際に間近で観察する絶好のチャンス。観覧は無料で、さらにタケオカ自動車工芸の協力により、「アビー」試乗会も開催予定とのことだ。

■ALL JAPAN MINICAR MTG
https://exy10sera.wixsite.com/all-japan-minicar-mt

■「マイクロカー図鑑」過去の紹介モデルはこちら

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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