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いずれボンドカーに!? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」の世界初公開の舞台は「ベネチア国際映画祭」…招待された豪華ゲストは誰だった?

ジョージ・クルーニーは妻のアマルとともに出席した

新型ヴァンキッシュがベネチアで世界初公開

ベネチアのラグーンで行われたイベントで、アストンマーティンの新型V12フラッグシップモデルが発表されました。ベネチア国際映画祭期間中に行われたきらびやかな発表会には、エンターテインメント、芸術、ファッション界の著名人が集結し、また、アストンマーティン・フォーミュラワンチームのドライバー、ランス・ストロールとフェルナンド・アロンソが「ヴァンキッシュ」をアンベールすることによって、アストンマーティンの次世代スポーツカーのラインアップが完成したことを印象づけました。この華やかな新型ヴァンキッシュの発表会の様子を見てみましょう。

ハリウッドスターなどの豪華なゲストが発表会に華を添えた

アストンマーティンは、新世代のダイナミズムを再定義する新型V12エンジン搭載のフラッグシップスポーツカー、「ヴァンキッシュ」を発表した。

ベネチア国際映画祭期間中の星空の下、ベネチアン・ラグーンの水上での華々しいお披露目であった。この発表会では映画、芸術、ファッション、ビジネスの各界から招待客が集まり、マリーナ・ミリターレでは盛大なプレミア上映会と、グラミー賞にノミネートされたミュージシャンのマセゴ、数々の賞を受賞したイタリア人ジャズ・パフォーマー、ウォルター・リッチ、国際的なDJ、ジェームズ・ライトンの音楽パフォーマンスが行われた。

映画界からは、ジョージ・クルーニーは妻のアマルとともに、ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・ダグラス、ケビン・コスナー、そしてエイドリアン・ブロディなど5人のアカデミー賞受賞俳優が出席した。アストンマーティンがジェームズ・ボンド映画との60周年の関係を迎える今年、ボンドを演じたダニエル・クレイグも、同じく英国出身のスターであるジョー・アルウィンとマイケル・ウォードとともに参加した。

さらに、オーストラリア人俳優兼映画監督のジョエル・エドガートン、アメリカ人俳優のヘイリー・ベネットとカイリー・スパニー、BAFTA受賞監督のジョー・ライトなど、エンターテイメント、芸術、文化界の著名人もイベントに華を添えた。

ファッション界からは、3度のアカデミー賞受賞歴を持つ衣装デザイナーのサンディ・パウエル、そしてモデルのビアンカ・ブランダオーニとポピー・デレヴィーニュが参加した。

製造、文化、芸術の交差点である歴史ある造船所が会場

この夜は、運河沿いでカクテル・レセプションが行われ、ゲストたちはベネチアの伝統的なスパークリングワインであるベリーニを片手に、有名な映画音楽の数々を楽しみ、またイタリアで最も長い期間ミシュランの星を維持しているレストラン、Doladaによる3コースの料理を堪能した。Doladaのシェフ、リッカルド・デ・プラは、自身のレストランPieve d’Alpagoの周辺地域から責任を持って調達した食材を使用している。

1104年にまで遡る歴史を持つベネチアの造船所であるアルセナーレは、手作業による製造、文化、芸術の交差点であり、アストンマーティンのブランドにふさわしい場所となった。アルセナーレは、歴史家たちから初期の大規模な産業企業のひとつと考えられており、中世には1日2000人の労働者が働き、それぞれがベネチア共和国の艦隊に手作業で貢献していた。アルセナーレは造船技術革新の最先端にあり、早くから組み立てライン生産技術を採用していたことで知られている。現在はイタリア海軍の活動拠点であると同時に、2024年に第60回を迎えるベネチア・ビエンナーレ国際美術展の会場として、文化の象徴となっている。

アストンマーティンF1チームのストロールとアロンソによってアンベールされた

自動車の芸術品であるヴァンキッシュは、同社の111年にわたる豊かな歴史の中で最も集中的な製品開発期間を経て誕生したモデルである。2023年5月にカンヌで開催されたamfARガラの前夜に発表された「DB12」、そして2024年2月に英国のモータースポーツの聖地であるシルバーストーンでアストンマーティンの2024年フォーミュラワンカーと同じ日に発表された「ヴァンテージ」の成功に続く、アストンマーティンの次世代フロントエンジン・スポーツカーのラインアップを完成させるモデルとなった。

イタリアグランプリのチェッカーフラッグからわずか24時間後に、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームのドライバーであるランス・ストロールとフェルナンド・アロンソによってアンベールされたヴァンキッシュは、アストンマーティンが公道とサーキットの双方でつながっていること、さらに高性能の分野で主導的な役割を果たすというブランドの意欲をさらに強固にする。

アストンマーティン社の執行会長であるローレンス・ストロール氏は次のように述べた。

「ヴァンキッシュの登場は、アストンマーティンにとって画期的な瞬間であり、当社のセグメントにおける最新かつ最強のポートフォリオを完成させ、当社のウルトララグジュアリーなポジショニングを強化するものです。この新車投入は、当社の象徴的なブランドの復活と、時代を超えたデザイン、匠の技、エンジニアリングの革新という独自の組み合わせを称えるものであり、当社の新世代スポーツカーを定義します。そして、主力製品であるヴァンキッシュは、超高級車と高性能車という両方の分野における当社の取り組みを体現し、アストンマーティンを新世代のドライバーのもとに届けるものです」

映画で活躍した、12気筒エンジンを搭載する唯一のモデル

ヴァンキッシュの生産台数は年間1000台以下に限定され、アストンマーティンの中核となる製品ラインアップの中で最高のパフォーマンスを誇るスポーツカーであり、最も高級なモデルとなる。そしてこのラインアップの中でヴァンキッシュはアストンマーティンが独自に開発した特注の12気筒エンジンを搭載する唯一のモデルとなる。

2018年以来初めて復活し、アストンマーティン3世代目となるこのモデルに、有名なヴァンキッシュの名が冠されることとなった。2001年に発売されたオリジナルのV12エンジン搭載モデルは、2002年の映画『007 ダイ・アナザー・デイ』でジェームズ・ボンドが運転し、2000年代の映画『トゥームレイダー』や『ミニミニ大作戦』などにも登場するなど、映画界で重要な役割を果たしてきた。そして今、再びこのクルマはスポットライトを浴びる。

AMWノミカタ

アストンマーティンと言えばやはり映画『007』と切っても切り離せない関係にあるが、この映画という切り口でベネチア国際映画祭を発表の場に選ぶなどさすがと言わざるを得ない。また、中世の造船所をレセプション会場に選ぶあたりも、アストンマーティンの歴史やクラフツマンシップを反映するのみならず、文化、芸術を大事にしているという姿勢を汲み取ることができる。

今回の新型ヴァンキッシュの大きな目玉は独自開発した5.2LのV12エンジンであろう。この自然吸気エンジンは最高出力835ps、最大トルク1000Nmを叩き出す。価格はまだ発表されていないが、1年分の予約はすでに受注しているという。年間1000台以下しか生産しないという点もこのクルマの価値を高める。スペックだけを見ると新型のベントレー「コンチネンタルGTスピード」に近い。顧客は2シーターでV12エンジンのヴァンキッシュを選ぶか、V8エンジン+モーターの4シーターのコンチネンタルGTスピードを選ぶか、デリバリーが本格化する来年が楽しみである。

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