ロータリーメカチューンならではの排気サウンド
エンジンについては、当初は13Bロータリーへの換装も考えたが、オリジナルの良さを残す意味で12Aロータリーのまま、ウェーバーφ45mmキャブ・ダウンドラフト+ブリッジポート仕様で作り込む。これによって、アクセルに素直に反応してくれる軽快な走りとレスポンスの良さを手に入れたが、それ以上にオーナーの所有欲を満たしてくれているのがロータリーメカチューンならではの排気サウンド。マフラーも専用にワンオフで作り込み、セッティングも含めて、自分が納得できるレベルに達するまで煮詰めたそうだ。
ほどよく下がった車高については、フロントがトヨタAE86用車高調サスペンションを加工して装着。リアはリジッド・リーフ式でイジることができないので、リーフ加工に加えてブロック加工も施してダウン量を調整していた。こうした改造サスペンションのアイデアからも伝わるように、オーナーである“ヒロ”さんがいかにクルマの構造について熟知しているかもうかがえる。まさに、その仕上げはストリートチューンのプロ、玄人の仕事といった感じである。
「トムキャット」を履いてR34GT-Rの純正色にオールペン
また、昭和のクルマ好き、そして、改造好きにとって、このクルマをより詳しく見れば注目すべきポイントがたくさんあることに気づく。中でもボディカラーが、日産R34型「スカイラインGT-R」の純正色をさりげなく使ったミッドナイトパープルであることもお洒落。まさにマニアな選択といえるが、これ以上にマニア度の高いのがホイールだ。それはマニアにとってはたまらない銘品「トムキャット」を履いている。たしか、当時の広告キャッチコピーは「世界初のラメホイール」を謳い、カラーはラメゴールドとラメレッドの2色が設定されていた。“ヒロ”さんの愛車はそんな改造マニア必見のホイールをリバレルしてセットしていたから驚きだ。
純正スタンダードのままでは物足りない。かといって、改造すしぎるのも好みではない。こうして製作された“ヒロ”さんのRX-4 ルーチェは抜群にカッコいい。古いクルマでしか出せない独特の雰囲気を打ち出しながらも、そのフォルムは現代人が見てもお洒落な1台と感じさせる。こういうクルマのことを昔はよく「渋い」なんて表現したが、まさにヒロさんのルーチェは玄人仕様の激シブでイカしたマシンとして蘇った1台であった。
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