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サビだらけで虫食い状態のマツダ「RX-4 ルーチェ」を復活! R34「スカイラインGT-R」純正色オールペン…ホイールはマニア垂涎の「トムキャット」です

マツダ RX-4 ルーチェ:FC3S用の横長純正オイルクーラーをチラ見せでセット

ロータリー一択で探して快音を轟かせるメカチューンを施す

アメリカンマッスルカーのようなマツダ「RX-4 ルーチェ」のルックスにひと目惚れして、希少な車両ゆえに苦労の末に手に入れたのが“ヒロ”さんです。ロータリーエンジン一択で探し求めた愛車は、出会ったときにはサビだらけの虫食い状態だったそう。そこからコツコツとレストアしつつ、メカチューンを施してエンジンが自慢な1台に仕上げました。詳しく見ていきましょう。

アメリカンマッスルカー的なフォルムで人気を博した

現在、その個性的なカーデザインから昭和車にかつてない熱視線が注がれている。なかでも市場で注目されているが、独自性を追求するマツダ・ロータリーエンジン搭載車だ。ひと口にロータリーエンジン搭載車といっても、そのモデルは「ファミリア」「カペラ」「サバンナ」とさまざまだ。かつてのマツダは、世界で唯一ロータリーエンジン実用化に成功したメーカーとして、ほぼすべてのモデルにロータリーエンジンを搭載させた時期もあった。そうした昭和のロータリーエンジン搭載車のスタイリングは、よくヨーロッパテイストなデザインが特徴といわれた。だが、そうしたシリーズの中にあって、唯一アメリカンマッスルカー的なフォルムで人気を博したモデルが過去に存在した。

それこそがマツダ「RX-4」こと2代目LA33型「ルーチェ」。そして、そのクルマのスタリングにひと目惚れし、どうしても自らの愛車コレクションに加えたいと希少車を探し求めたと、苦労話を交えて話してくれたのが、徳島県在住の“ヒロ”さんだった。

現存する車体が極めて少ないレア車として有名なRX-4 ルーチェだけに、探すのも大変で本当に苦労の連続だったらしい。また、ようやく探し当てても、エンジンは当然ダメで車体の傷みが激しい個体ばかりだったという。そんな状態のなかで、“ヒロ”さんがようやく見つけたRX-4 ルーチェは、ボロボロの状態には変わりなかったが、もともと、修復することを前提に考えていたので、ボディは多少傷んでいても良しとし、重視したのはなるべく純正パーツが付いていること。

なにせ近年の旧車ブームによって純正パーツの値段も高騰中。そして、入手困難なパーツもたくさんある。だから、なるべく純正パーツが外されていない車体を選んでクルマ探しを始めて、条件にあった車体に巡り合うまでにかなりの時間を費やしたという。

サビだらけの虫食い状態から復活させた

RX-4 ルーチェの歴史をあらためて調べると、生産は1972年から1978年までで、ボディバリエーションは、4ドアセダンと2ドアハードトップ、ワゴンの3タイプが存在した。また、ロータリーエンジン搭載モデルの他にモデル末期にはレシプロエンジン搭載車も当時は選べるように設定されていた。

“ヒロ”さんの愛車は1975年式後期モデルの2ドアハードトップということ。エンジンはこだわりの12Aロータリー搭載車で、レシプロモデルにはまったく興味はなかったと話す。ボディやエンジンのレストアはすべて自分で行い、その修復作業を進めながら、自分が思い描いたRX-4 ルーチェを目指して純正+αのカスタムを施していた。

ボディは当時の昭和車でありがちなフェンダーがサビだらけの虫食い状態だったため、新しく鉄板を用意してフェンダーアーチを製作。その際に、よりマッシブでカッコいいフォルムを作り出すべく、前後フェンダーを純正アーチベースでワイド化させてアレンジ。とくにリアのワイド感を強調し、よりアメリカンマッスルカースタイルに見せる工夫を施した。

また、フロントフェイスは基本的に純正のままだが、カスタムカーとしてのインパクトと凄みを効かせるべく、サバンナワークス用チンスポをフロントスポイラー下部に追加装着。さらに、純正ラジエターダクトを活用して、FC3S用の横長純正オイルクーラーをチラ見せでセットしているのもポイントだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

ロータリーメカチューンならではの排気サウンド

エンジンについては、当初は13Bロータリーへの換装も考えたが、オリジナルの良さを残す意味で12Aロータリーのまま、ウェーバーφ45mmキャブ・ダウンドラフト+ブリッジポート仕様で作り込む。これによって、アクセルに素直に反応してくれる軽快な走りとレスポンスの良さを手に入れたが、それ以上にオーナーの所有欲を満たしてくれているのがロータリーメカチューンならではの排気サウンド。マフラーも専用にワンオフで作り込み、セッティングも含めて、自分が納得できるレベルに達するまで煮詰めたそうだ。

ほどよく下がった車高については、フロントがトヨタAE86用車高調サスペンションを加工して装着。リアはリジッド・リーフ式でイジることができないので、リーフ加工に加えてブロック加工も施してダウン量を調整していた。こうした改造サスペンションのアイデアからも伝わるように、オーナーである“ヒロ”さんがいかにクルマの構造について熟知しているかもうかがえる。まさに、その仕上げはストリートチューンのプロ、玄人の仕事といった感じである。

「トムキャット」を履いてR34GT-Rの純正色にオールペン

また、昭和のクルマ好き、そして、改造好きにとって、このクルマをより詳しく見れば注目すべきポイントがたくさんあることに気づく。中でもボディカラーが、日産R34型「スカイラインGT-R」の純正色をさりげなく使ったミッドナイトパープルであることもお洒落。まさにマニアな選択といえるが、これ以上にマニア度の高いのがホイールだ。それはマニアにとってはたまらない銘品「トムキャット」を履いている。たしか、当時の広告キャッチコピーは「世界初のラメホイール」を謳い、カラーはラメゴールドとラメレッドの2色が設定されていた。“ヒロ”さんの愛車はそんな改造マニア必見のホイールをリバレルしてセットしていたから驚きだ。

純正スタンダードのままでは物足りない。かといって、改造すしぎるのも好みではない。こうして製作された“ヒロ”さんのRX-4 ルーチェは抜群にカッコいい。古いクルマでしか出せない独特の雰囲気を打ち出しながらも、そのフォルムは現代人が見てもお洒落な1台と感じさせる。こういうクルマのことを昔はよく「渋い」なんて表現したが、まさにヒロさんのルーチェは玄人仕様の激シブでイカしたマシンとして蘇った1台であった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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