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70年代のルノー「17」がフル電動レストモッドに! 気鋭デザイナー、オラ・イトが手がけた世界に1台の「R17 エレクトリック」とは

70年代のルノー「17」がフル電動レストモッドに! 気鋭デザイナー、オラ・イトが手がけた世界に1台の「R17 エレクトリック」とは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Renault

足まわりは華やかさとエレガントさを併せ持つ仕上がりに

テールゲートつきの2ドアハッチバッククーペだったオリジナルのルノー17は、4灯丸型のヘッドライト、フレームレス式のドア、センターピラーのないボディ、全開可能なリアサイドウインドウ、ルーバーつきのセカンドクオーターウインドウなど、スポーティかつ実用的、そして洒落たデザインを特徴としていた。

オリジナルのモノコック構造をベースにした「R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト」は、キャビン、ドア、ウインドウ、グレージング、シール、アンダーボディはオリジナルのものと同じスペックとするものの、ボディ幅は17cm拡大されている。

また、フェンダーとホイールのデザインは、華やかさとエレガントさを併せ持つルックスに仕上がっている。ヘッドライトは角を丸くした4灯の長方形モジュールで、LEDテールランプはオリジナル17の意匠を拡大解釈した、1本の帯状になっている。

デジタルとレトロを融合させたインテリア

「ギャラクティック・ブラウン」のボディカラーは、このショーカーのために開発されたオリジナルの色合いである。

オリジナルのR17は、往年のフランス車の身上である快適なシート、充実した装備、細部まで行き届いた仕上げなど、真のツアラーとしてのインテリアの特徴をすべて備えていた。いっぽうそのレストモッドは、オリジナルの快適性基準を維持しつつ、ダッシュボードとセンターコンソールに多くの変更を加えている。

シートはオリジナルの17で使用された「ペタル(Pétale=Petal:花びら)」構造を中心に再設計され、インテリアデザインの世界からインスピレーションを得たというブラウンの上質なメリノウールのヘザーサテン生地、およびベージュの部位には長さと厚みを兼ね備えた繊細な軽量ウール「Bouclé(ブークレ)」が採用されている。

さらに当代最新のコンセプトカーとして、ルノー最新のグラフィック環境が描かれた中央のスクリーンと、オリジナルR17の計器にインスパイアされたという、4角形スタイルのステアリングと、その向こうに見える4つの小さな幾何学的なスクリーンも特徴とする。

270馬力の電動モーターをリアに搭載

もっとも興味深いパワートレインについては、270psの電動モーターをリアに搭載するとのこと。つまりはルノーのEV「5 E-テック」やアルピーヌのBEV「A290」のメカニズムをもち、オリジナルのモノコック構造をベースにしつつも、EVながら1.4tという軽い車体を実現するためカーボンファイバー製シャシーを採用した、と説明されていることから、「レストモッド」を車名としていながらも、狭義の意味でのレストモッドではなく、クラシックモデルのスタイリングをモチーフとした「レストモッド風コンセプトカー」と考えられなくもない。

なお「R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト」はあくまでワンオフのコンセプトカーであり、将来の市販車を提示するものではないと説明されている。このワンオフモデルは、パリの「メゾン・サンク(Maison 5)」内で2024年9月11日まで展示された。そののち9月12日から15日まで開催されるコンクール・デレガンス「シャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミル」のコンペティションにて正式発表。さらにその後は、10月14日から20日まで開催されるパリ・サロンのルノー社ブースでも、展示されるとのことである。

【動画】R17 electric restomod x Ora Ïto

 

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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