足まわりは華やかさとエレガントさを併せ持つ仕上がりに
テールゲートつきの2ドアハッチバッククーペだったオリジナルのルノー17は、4灯丸型のヘッドライト、フレームレス式のドア、センターピラーのないボディ、全開可能なリアサイドウインドウ、ルーバーつきのセカンドクオーターウインドウなど、スポーティかつ実用的、そして洒落たデザインを特徴としていた。
オリジナルのモノコック構造をベースにした「R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト」は、キャビン、ドア、ウインドウ、グレージング、シール、アンダーボディはオリジナルのものと同じスペックとするものの、ボディ幅は17cm拡大されている。
また、フェンダーとホイールのデザインは、華やかさとエレガントさを併せ持つルックスに仕上がっている。ヘッドライトは角を丸くした4灯の長方形モジュールで、LEDテールランプはオリジナル17の意匠を拡大解釈した、1本の帯状になっている。
デジタルとレトロを融合させたインテリア
「ギャラクティック・ブラウン」のボディカラーは、このショーカーのために開発されたオリジナルの色合いである。
オリジナルのR17は、往年のフランス車の身上である快適なシート、充実した装備、細部まで行き届いた仕上げなど、真のツアラーとしてのインテリアの特徴をすべて備えていた。いっぽうそのレストモッドは、オリジナルの快適性基準を維持しつつ、ダッシュボードとセンターコンソールに多くの変更を加えている。
シートはオリジナルの17で使用された「ペタル(Pétale=Petal:花びら)」構造を中心に再設計され、インテリアデザインの世界からインスピレーションを得たというブラウンの上質なメリノウールのヘザーサテン生地、およびベージュの部位には長さと厚みを兼ね備えた繊細な軽量ウール「Bouclé(ブークレ)」が採用されている。
さらに当代最新のコンセプトカーとして、ルノー最新のグラフィック環境が描かれた中央のスクリーンと、オリジナルR17の計器にインスパイアされたという、4角形スタイルのステアリングと、その向こうに見える4つの小さな幾何学的なスクリーンも特徴とする。
270馬力の電動モーターをリアに搭載
もっとも興味深いパワートレインについては、270psの電動モーターをリアに搭載するとのこと。つまりはルノーのEV「5 E-テック」やアルピーヌのBEV「A290」のメカニズムをもち、オリジナルのモノコック構造をベースにしつつも、EVながら1.4tという軽い車体を実現するためカーボンファイバー製シャシーを採用した、と説明されていることから、「レストモッド」を車名としていながらも、狭義の意味でのレストモッドではなく、クラシックモデルのスタイリングをモチーフとした「レストモッド風コンセプトカー」と考えられなくもない。
なお「R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト」はあくまでワンオフのコンセプトカーであり、将来の市販車を提示するものではないと説明されている。このワンオフモデルは、パリの「メゾン・サンク(Maison 5)」内で2024年9月11日まで展示された。そののち9月12日から15日まで開催されるコンクール・デレガンス「シャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミル」のコンペティションにて正式発表。さらにその後は、10月14日から20日まで開催されるパリ・サロンのルノー社ブースでも、展示されるとのことである。
【動画】R17 electric restomod x Ora Ïto