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バブル期に世界最速として話題になったリスター・ジャガー「XJ-S 6.0」が744万円で落札! グッドウッドにも招待された由緒正しい個体としては激安!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

グッドウッドFoSに還ってきたリスター・ジャガー

このほどボナムズ「グッドウッドFoS」オークションに出品されたリスター・ジャガー XJ-Sは、1989年に製作されたもの。今回のオークション出品者でもある現オーナーは、2013年5月に英国のオークションで入手したそうだが、その時点でも非常に大切に保持されていたようで、メカニズム面でも健全であったといわれている。また、さまざまなインボイスや書類によって、オークションカタログ作成当時の走行距離(8万マイル強:約13万km)は正確であると裏付けられていた。

くわえて、前オーナーの手もとにあった2003年に「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に招待され、ニック・メイソン氏のフェラーリ「F40」やジェイ・ケイ氏のBMW「2002tii」に代表される世界的ミュージシャンの愛車たちと並んで「The Ultimate Road Cars(究極のロードカー)」のブースに展示されたことも、重要なトピックとして挙げられていた。

2017年、このリスター・ジャガー XJ-Sには大規模なレストアが施される。ボディワークはベアメタル状態に戻され、あらゆる錆を取り除くとともに、腐食した部位は新しいメタルパネルに交換。「パーチメント(クリーム色)」のレザー内装も、すべて取り外されて張り替えられた。

またV12エンジンは、補器類ともども取り外して洗浄。リビルトはされていないものの、細部まで完全に整備された。さらに、すべてのランニングギアは新品のブッシュ、ベアリングなどで修復され、エクステリアはメタリックブルーで再塗装された。

オリジナルのデリバリーフォルダーなども添付

今回のオークション出品に際して販売に含まれるものは、サービスブックや英国内での車両履歴を証明する「V5C」書類、車検証に相当する「MoT」証明書など。そして、この個体に関するいくつかの雑誌記事や、長年にわたって蓄積されたサービス文書を含むオリジナルのデリバリーフォルダーなども添付されたとのこと。

そしてボナムズは4万5000ポンド~6万5000ポンド(約832万円〜1202万円)という、かなりリーズナブルとも感じられるエスティメート(推定落札価格)を設定した。

ところが実際にオークションが始まってみると、ビッド(入札)の伸びは予想以上に鈍かったようで、終わってみればオークショネア側に支払われる「プレミアム(手数料)」込みでもエスティメート下限を大きく割り込む4万250ポンド。すなわち日本円に換算すれば、約744万円で落札されることになった。

とはいえこのハンマープライスは、スタンダードのXJ-S/XJS(1991年以降)のV12クーペはもちろん、「TWR(トム・ウォーキンショウ・レーシング)」製のXJR-Sのマーケット相場価格よりもかなり高めであることを思えば、やはりリスター・ジャガー XJ-Sには一定の評価がなされているということなのだろう。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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