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100台しかない「シルバークラウドIII」のうちの1台を展示! ロールス・ロイスがグッドウッド・リバイバルで60年前のショールームを再現した理由とは

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TEXT: AMW  PHOTO: Rolls-Royce Motor Cars/神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

  • 2018年のグッドウッド・リバイバルのマリナー・パークウォードによる1966年ロールス・ロイス シルバークラウドIII ドロップヘッド・クーペ。このクルマは、1966年の英国映画の名作『ブローアップ』で中心的な役割を果たした
  • 1964年式 ロールス・ロイス シルヴァークラウドIII マリナー・パークウォード製ドロップヘッド・クーペ
  • R-RシルヴァークラウドIII DHCのボディは、当時ロールス・ロイスの傘下にあったベントレーの象徴的モデル「S3コンチネンタル」と共通のもの
  • スピードが上がっても、V8エンジンが必要以上に声を荒げることはなく、徹底的にスムーズでエレガント、しかも力強く加速してゆく
  • ふっかりとしたドライバーズシートの着座位置はやや高め
  • ベントレー S3コンチネンタルとの違いはノーズ前端に置かれるのがベントレーの「フライングB」ではなく、R-Rの「パルテノン神殿&スピリット・オブ・エクスタシー」になることくらい
  • フロントのエンジンリッドは左右独立してV字型に跳ね上がる
  • 2018年のグッドウッド・リバイバルのマリナー・パークウォードによる1966年ロールス・ロイス シルバークラウド III ドロップヘッド・クーペ。このクルマは、1966年の英国映画の名作『ブローアップ』で中心的な役割を果たした
  • ロールス・ロイス 1965年型シルバークラウドIII マリナー・パークウォード

グッドウッド・リバイバルでショールームを再現して希少車を展示

ロールス・ロイス・モーター・カーズは2024年9月6日から英国で開催されたグッドウッド・リバイバルで1965年型「シルバークラウドIII マリナー・パークウォード」を展示しました。このクルマはシルバークラウドIIIのシャシーをベースに製作された希少なフィックスドヘッド・クーペで、コーチビルダーのマリナー・パークウォードが製作した約100台のうちの1台です。今回のグッドウッド・リバイバルでは、ロールス・ロイスはロンドンのバークレースクエアと当時のロールス・ロイスのショールームを再現し「マーチ・モーター・ワークス」での展示を行いました。

100台しかないうちの1台が展示

2024年9月6日から8日まで英国で開催された世界的に有名なグッドウッド・リバイバルで、ロールス・ロイス・モーター・カーズはコーチビルドのシルバー・クラウドの希少なモデルを中心に展示した。

創業120周年を記念して、ロールス・ロイスはメイン・サーキットのトンネルのインフィールド側にある「マーチ・モーター・ワークス」で、1964年当時のバークレースクエアと、その近くのロンドン・メイフェアのコンデュイット・ストリートにあったロールス・ロイスのショールームを忠実に再現した。

ここに展示されるのは、素晴らしく手入れの行き届いた「シルバークラウドIII」で、この流麗でエレガントなモデルは、伝説的なコーチビルダーであるマリナー・パークウォードが製作したフィックスドヘッド・クーペ(FHC)の約100台しかないうちの1台である。エクステリアは美しいブリュースターグリーンで仕上げられ、クラレットレッドのレザーで縁取られたインテリアが特徴的だ。ボンネットの下には手で組み上げられた6.2L 自然吸気V8エンジンが搭載され、4速オートマチックトランスミッションを介して後輪に約210bhpのパワーを供給する。

歴史的に重要なモデルである理由

シルバークラウドIIIは、主にオーナーが運転するロールス・ロイスであり、顧客がカスタムメイドのボディを専門のコーチビルダーに依頼することができるローリングシャシーとして提供された最後のモデルとして歴史的に重要である。

ロンドンのバークレー・スクエアとその周辺には当時、ジャック・バークレーをはじめとする高級車のショールームがいくつもあった。チャールズ・ロールズは、すぐ近くのメイフェア、ヒル・ストリートで生まれ、1904年にヘンリー・ロイスとパートナーシップを結んだ直後、近くのコンデュイット・ストリートにショールームを構えた。マーチ・モーター・ワークスでは、その60年後の様子が再現された。

AMWノミカタ

グッドウッド・リバイバルは、1940年代、1950年代、1960年代のクルマ、ファッション、文化を祝う、素晴らしくエキセントリックで、ノスタルジックで、グラマラスなイベントである。

今回、ロールス・ロイスは1965年製のシルバークラウドIIIをこのイベントで展示したが、このクルマはベントレーの「S3 コンチネンタル」と共通のボディをもつモデルである。エクステリアデザインは当時のイタリアンデザインの影響を色濃く受け、丸目4灯が少しつり上がっている様子から「チャイニーズアイ」などという俗称で呼ばれた。

今回のロールス・ロイスは60年前の当時のロールス・ロイスのショールームを再現し、その中でこのクルマが展示された。当時を知る人たちにとってはリバイバルイベントらしい懐かしい記憶が蘇り、若い世代には当時のプロダクトのみならず時代の空気感を感じることのできる素晴らしいイベントになったのだろうと想像する。

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