オルタネーターはクルマにとって重要なパーツ
クルマにはさまざまな電装品が付いており、エンジンまわりの補機類としては「オルタネーター」が装着されています。役割としては発電機で、走るための点火系だけでなく、カーナビやエアコンなどの作動にも当然電気は使われているのです。
エンジン始動後は、オルタネーターが発電する電気ですべてまかなう
最近では快適装備を中心に電装品は増えているのでオルタネーターへの依存度は高まるばかり。他にはバッテリーもあるだろう、と思うかもしれないが本来はエンジンを始動するとき、つまりスターターを回すときだけバッテリーに溜めた電気を使い、かかってしまえばオルタネーターが発電する電気ですべてまかなう。ただし、最近では燃費向上のために発電時の抵抗を抑える充電制御が付いていて、発電を止める機能が付いているので、走行時もバッテリーに溜めた電気を使うことはある。アイドリングストップも同様だ。
それほど重要なオルタネーターの仕組みは簡単で、基本的にはモーターと同じ。銅線を巻いて作られたコイルが磁石の側を回ることで電気を発生させていて、理科でやったモーターを逆回転させると豆電球が光ったのを思い浮かべてもらえればいい。ちなみにオルタネーターの名称の由来は交流電気を発生させるからで、オルタネートは「交互に」という意味。
一方、直流を発電する発電機は「ダイナモ」と呼ぶ。交流は発電効率がよく、また低回転から定められた電力を発電できるので、現在はオルタネーターが採用されている。以前は安価なこともあってダイナモが採用されていた時代もあったが、発電量が少なかったり、低回転ではあまり発電しなかったりするため、バッテリー上がりを起こしやすいなどから廃れてしまった。
長い目で見ると消耗品のひとつ
その交流と直流の違いはというと、前者はプラスとマイナスが入れ替わり、後者は固定となる。DIYでいじる人ならクルマの電装品は直流なのに、発電は交流で大丈夫かと思うかもしれないが、オルタネーターの内部には整流器が組み込まれていて、直流に変換して流しているので問題はない。
このようにクルマを動かす最重要装置のひとつと言っていいオルタネーターだけに、壊れたら走行不能になるから注意が必要だ。バッテリーに溜めた電気で走ることはできるが、それがなくなれば停止してしまって、AT主流の現在では押しがけもままならない。しかも、常にエンジンの回転に合わせて回り続けているので、長い目で見ると消耗品のひとつと言っていいのでなおさら注意が必要だ。アクセルの踏み加減に合わせてライトやメーターの明るさが変わるようならオルタネーターの不具合の可能性もある。
ただし、構造は先に紹介したようにシンプルなので修理は比較的簡単で、規格品でもあるためリビルトパーツが多く出回っているのもオルタネーターの特徴。実際はオーバーホールしたり、新品にするよりも、リビルト品に交換したほうが安くて早かったりする。新品やリビルト品がない旧車の場合は、ブラシと呼ばれる端子を他車用から流用するなど、オーバーホールして対応できるので、修理不能で困り果てることはあまりなかったりする。