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本物のフェラーリが200万円ちょっと…「400i」が新車のトヨタ「カムリ」と同じくらいの値段だった理由とは?

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

ボディはピニンファリーナ、エンジンはコロンボ

シャープな直線基調のスタイリングは、ピニンファリーナのチーフデザイナーであったレオナルド・フィオラヴァンティによるもので、彼が単独で仕上げたモデルとしては「365GTB4」デイトナや「308/328」、さらには「365BB」等々、一連のフェラーリ作品が多数ある。また、トヨタのスーパーカー、レクサス「LFA」にも関与したと言われる。

エンジンは365時代の4.4Lから4.8Lに格上げされていたが、基本的にはジョアキーノ・コロンボが作り上げたエンジンで、当初は365時代と同じサイドドラフトキャブレターを装備していたが、1979年の400iからボッシュKジェトロニックに置き換えられることになった。もちろん気筒あたり4バルブの48バルブでオイル供給はウエットサンプである。

初採用のオートマチックトランスミッションはGM400と呼ばれたGM製の3速オートマチックであった。ならば当然、主としてアメリカ向け仕様と思われがちなのだが、じつはV12エンジンが当時のアメリカにおける排ガス規制をクリアしておらず、それ以前からV12の販売を断念していたのである。しかし、その規制をクリアするために燃料噴射を採用し、同時にオートマチックをオプション設定してアメリカへのV12再上陸を画策したということだ。はたして、その結果は上々で400iの生産は、5速マニュアルの422台に対してオートマチック883台が製造された。

販売車両は1979年に製造された初期モデルで、右ハンドル仕様。香港のMaranello Concessionaires Orient Ltd.を通じてデリバリーされたモデルであるが、長期間保管されていた関係で、レストアは必須の状況のようである。RMサザビーズ社では、邦貨換算約544万円〜649万のエスティメート(推定落札価格)を掲げていたが、冒頭の値段はそれを考慮したうえでのことだったということだ。ちなみにシャシーナンバーは30253。エンジンナンバーは00100でナンバーマッチしていることは確認されている。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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