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フィアット新型「600e」のデザイナー来日インタビュー!「フィアットの使命は“スーパークール・イタリアンタッチ”を手の届く価格で実現すること」

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)/AMW/Stellantis N.V.

万人のためのデザインを実現することがフィアットの使命

ただ、欧州市場では現在、メインストリームあるいはスタンダードなどと呼ばれる、ルノーやフィアットといった伝統的ブランドの存在感が、ローコスト・ブランドかプレミアムもしくはラグジュアリー・ブランドかという二極化で相対的に薄れ、大衆車というセグメント自体が空洞化しかけている。この状況でフィアットのような大衆車ブランドのデザインは、どうあるべきか、氏に問いかけた。

「それは、根本的なクエスチョンですね。まずいえることは、市場は動いているということ。市場は二極化し、ラグジュアリーブランドは上方移行して成功しているようですが、私たちは逆の側でとても開けた市場、強い需要があります。ですからこの市場を放置して空白を作ってはならない。思うに、フィアットのような大衆車ブランドはこの市場に回帰し、そこで存在感を示す必要があります。それこそ自分たちが昔からいた場所で、何が大衆車ブランドかといえば、予算的に手の届くソリューションであることですから。500は大衆ブランドをどのように再定義するかという好例です。500は似たクルマが他にいない市場で、強烈な存在感を放っています。

フィアットの強みとは、誰もいない市場を開拓すること。手の届く価格帯というセグメントに戻るかどうか以上に、フィアットにとって手の届く提案をすることはほとんど使命のようなもの。私はそこが大好きというか、やりたいと思うところ。具体的には、万人のためのデザインを実現することです。それがフィアットの使命であり、イタリア流の優雅さでもってフィアットには可能だと思います。スーパークール・イタリアンタッチですね。私たちの真のゴールは、イタリアンな魅力にあふれ、手の届きやすいソリューションを提供すること。それができたら売れるであろうことは分かっています。だから私たちは信じていますし、メインの目標としているのです。ある意味、大衆車ブランドは自分自身を生まれ変わらせる必要があるのです」

もうひとつの「グランデパンダ」ファミリーも展開していく

つまりフィアット・ブランドを生まれ変わらせるため、500とは別に、もうひとつのファミリー・アイコンが要るという。それが今夏より市販バージョンが公開され2025年に欧州市場デビューが見込まれる「グランデパンダ」なのだ。

「私の目標のひとつは、フィアットのさまざまな製品に共通のDNAを創ること。もとより重要なひとつが500で、その周りに600やトッポリーノといった姉妹車や兄弟車がいる。そしてもうひとつ別のファミリーの第1弾が、より機能的な側で、私たちがグランデパンダとして開発したものです。前者が“ドルチェ・ヴィータ”で、後者が“クールかつ機能的”な側。これら2つの側面をフィアットは保持していきます」

ルボワンヌ氏のいう「ブランドの新しい資産」とは、500と並ぶ新しいアイコンとして「グランデパンダ・ファミリー」を作り出すことなのだ。

「アイコニック・モデルを創り、その周囲に500のようにフル・ファミリーを。グランデパンダもファミリー化していくという戦略です。デザイン的には強く、非常に分かりやすく、大胆であること。もちろん好まない人もいるでしょうが、思うにそれは500も同じです。逆に好まれるかもしれませんし、そうなったらもはやメインストリームではありません。フィアットはイタリア的側面でもってポジティブな未来を人々に信じさせることができるブランドなんですよ。凝っていて高価で、いろいろな機能やコンテンツが詰まっているとかではなく、例えばピザを食すように、シンプルに何かを楽しむ時間を過ごすというか、シンプルだけどクールってそういうこと。私たちはそれをドルチェ・ヴィータと呼んでいるのです」

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