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バブリーな金モールが懐かしい! メルセデス・ベンツ「560SEC」にコンバーチブルってあった? 一世を風靡したゴールド仕様は174万円で落札

1万925ドル(邦貨換算約174万円)で落札されたメルセデス・ベンツ「560SEC コンバーチブル」(C)bonhams

どこが改造したか不明な560SEC コンバーチブルが登場

2024年6月17日~24日にかけて、名門ボナムズ・オークション社がオンライン限定で開催した「AMG Rediscovered Online」オークションにおいて、メルセデス・ベンツ「560SEC コンバーチブル」が出品されました。エクステリアは、鮮やかな赤いボディにゴールドで縁取られたフェンダーや前後のバンパーが印象的な1台でした。

ヤングタイマー・メルセデスファンから高い人気を誇る

メルセデス・ベンツが、1979年から1991年にかけて生産したセカンド・ジェネレーションの「Sクラス」、すなわちW126型Sクラスは、現在でもヤングタイマーのメルセデス・ベンツを好むファンからの高い人気を誇るモデルだ。ここで紹介するのは、先日ボナムスがオンラインで開催したオークション、「AMGリディスカバード」に出品されたスペシャル・モデル。当時メルセデス・ベンツでは生産されていなかった、クーペの「SEC」をベースとしたオープン仕様のカブリオレ・ボディであるのが、このモデルをあえてスペシャルと表現する直接の理由である。

Sクラスの歴史をもう少しさかのぼり、W116型と呼ばれたファースト・ジェネレーションに目を向けると、じつはメルセデス・ベンツは「280SE」、「280SE 3.5」で、1971年までカブリオレを生産していた事実に気づく。その後継車であるW126型で、なぜカブリオレがラインアップから消滅してしまったのかは想像し得ないが、市場においては新しいSクラスにもカブリオレ・ボディを、というリクエストが少なからずあったことは事実なのだろう。チューナーやコーチビルダーのもとへは、クーペのSEC(C126)をベースにオープン化する依頼を持ち込むオーナーが少なからず存在したのだ。ここで紹介する「500SEC カブリオレ」、正確にはコンバージョン・モデルも、そのような経緯で誕生した1台と考えられる。

スタイリング・ガレージ、ストラマン、あるいはケーニッヒ・スペシャルズ。記憶に残るだけでもこれだけのブランドから世に送り出された500SECのカブリオレ・コンバージョン。ボナムズもその出自については多くの調査を行ったが、そのコンバージョンを行ったのがどのチューナーであるのかは正確には判明しなかったという。しかしながらリアシートの後ろにすっきりと収まるフルフォールディング・タイプのソフトトップの仕上がりはとても魅力的なもので、レッド・パイピングが施されたホワイトレザーが印象的なインテリアのクオリティも、新車時のそれに近い魅力を保ち続けている。

>>ネオクラシックを特集したメルセデスの専門誌「only Mercedes」のvol.221を読みたい人はこちら(外部サイト)

サスペンションを強化し、ソリッドな走行フィールを実現

1980年代を懐かしめるようなボディカラーは、鮮やかなレッド系で、キャンバストップとのコンビネーション、そしてゴールドで縁取られたフェンダーや当時モノの前後バンパースポイラー、そして同色のMOMO製ホイールなど、カラーのマッチングもじつに巧みだ。トランクリッドの右側にはAMGのエンブレムが備わるが、こちらもこのモデルの製作への直接の関与は確認されていない。

フロントに搭載されるエンジンは、4973ccの排気量を持つV型8気筒SOHC(M117型)。ボッシュ製のフューエル・インジェクションとの組み合わせで255psの最高出力を発揮する。組み合わせられるトランスミッションは4速AT。サスペンションは4輪独立懸架で、ブレーキも4輪にディスク式を採用している。

出品車ではサスペンションの強化も行われており、SECがそもそも持つソリッドな走行フィールはカブリオレ化されてもそのまま再現されているのが大きな特徴だとボナムズは報告する。現在までの走行距離は約8万9000km。メルセデス・ベンツにとってこの数字は、ひとつの通過点にすぎないほどのものと評価してもよいだろう。

ちなみにエスティメート(推定落札価格)は、1万8000ドル〜2万5000ドル(約284万円〜約395万円)を掲げていた。最低落札価格の設定なしで行われたオークションの結果は、1万925ドル(約174万円)での落札。それは落札者も大いに満足できた結果といえるのではないだろうか。

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