フランスの「シャンティイ・アーツ&エレガンス・リシャール・ミル」に出展
ブガッティは2014年の初開催以来、「シャンティイ・アーツ&エレガンス・リシャール・ミル」と深く結びついています。クラシカルとモダンが融合した祭典には800台の車両と2万人を超える来場者が集まり、魅惑的な光景が繰り広げられました。2024年、この祭典でブガッティは新型「トゥールビヨン」を披露しました。近年自動車イベントとしても注目されている祭典の様子を見てみましょう。
往年の名車と新型トゥールビヨンを展示
フランス文化遺産の宝庫であるシャンティイ城の庭園で2024年9月12~15日に「シャンティイ・アーツ&エレガンス・リシャール・ミル」が行われた。芸術、エレガンス、卓越性を反映した饗宴は、家族で楽しめるアクティビティから熱気球の飛行、フェンシングショー、馬車、馬術まで、あらゆる年齢層が楽しめる体験とエンターテイメントにあふれていた。
このイベントで、ブガッティはこれまでの歴史のアイコンとなるモデルの展示、そして現代のハイパースポーツカー・パフォーマンスを代表する新型「トゥールビヨン」を披露した。
世界で最も美しいクルマとされる「タイプ57SC アトランティック」や、史上最も成功したレーシングカーである「タイプ35」、ラグジュアリーカーのひとつである「タイプ41 ロワイヤル」などが展示され、1920年代と1930年代のブガッティの象徴的なデザインがトゥールビヨンに大きな影響を与えたことを認識することとなった。
そしてトゥールビヨンは、エモーションとラグジュアリーの本質を新たな高みに引き上げ、ブガッティの歴史の象徴であると同様に、現在だけでなく「永遠に(Pour l’éternité)」比較されない存在となっていることを意味している。
貴重なモデルがコンクールを競う
ブガッティの豊かなレーシング遺産を反映し、100年前に生まれた伝説的なタイプ35の5台は日曜日のコンクールに登場し、モータースポーツ競技の栄光の時代を振り返る機会を提供した。さらに、エレガントな「タイプ43 フェイク カブリオレ ラブルデット」や、未修復車両(戦前)のクラスに参加した「タイプ44 グランドスポーツ」などの珍しいモデルがコンクールを競った。
さらに100周年記念エディションの「ボライド」が登場し、タイプ35とブガッティのモータースポーツでの偉業を称えた。そして次世代のブガッティを迎える象徴として、トゥールビヨンはこの時代を超える集いの中で中心的な役割を果たし、ブランドの新しい章を刻むこととなる。
トゥールビヨンがオートクチュールをまとったモデルと登場
シャンティイ・アーツ&エレガンス・リシャール・ミルは、往年のモデルを見るだけでなく、周囲の美しい田園地帯の道路で、クラシックでモダンなクルマが走る姿を楽しむこともできた。ブガッティ「シロン スーパースポーツ」が緑豊かなオワーズ地方の150kmのツアーに参加した。
イベントのクライマックスは、トゥールビヨンの披露である。115年にわたるブガッティの革新、洗練、フランスのエレガンスの精神を体現するトゥールビヨンは、ブガッティの発祥地であるアルザス出身のヴィクター・ヴァンサント氏がスタイリングした華やかなオートクチュールをまとったモデルとともに登場した。
ヴァンサント氏は、ジャン・ポール・ゴルチエのもとで2年間修行した後、2020年に自身の名を冠したブランドを立ち上げたデザイナーである。元プロダンサーでもある彼は、舞台芸術のエネルギーをそのコレクションに吹き込み、世界中で称賛を集めている。
ブガッティのクリストフ・ピション会長によって観客に紹介されたトゥールビヨンと、ヴァンサントのオートクチュールを身にまとったモデルは観衆を魅了した。モデルはヴァンサントの2024年春夏コレクションの黒のロングドレスにコルセットを合わせた装いで、トゥールビヨンの時を超えたエレガンスと洗練された姿を反映。その品質の継続を称える「プリ・デュ・パブリック賞」を受賞したことで、この壮大なイベントでの存在感を改めて証明することとなった。
AMWノミカタ
本社でトゥールビヨンを発表した後、イギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード、そしてアメリカのモントレー・カー・ウィークを経て再びヨーロッパに戻ってきた。
シャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミルは2014年から開催されている比較的新しいイベントだが、自動車ブランドやファッションデザイナーが作品を発表する場ともなっており、なかでもクルマとオートクチュールを組み合わせたファッションショーはメインイベントのひとつであり、近年多くの人々に注目されている。
1920年代にフランスで始まったコンクール・デレガンスの伝統を受け継ぐこのイベントは、過去からの輝かしい歴史を継承し、現代においてもオートクチュール的なクルマづくりを得意とするブガッティにとって最良の発表の場となったのではないだろうか。
このイベントはアール・ド・ヴィーヴル(生活芸術)の祭典と呼ばれているが、同様のイベントは日本ではまだ少ない。クルマが文化や芸術の一部として認められていることはとても羨ましいと感じる。