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10月1日から施行の「OBD検査」でユーザー車検ができなくなる!? 整備工場のなかには廃業も…変わる「車検」を取り巻く環境をやさしく解説します

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: Ministry of Land, Infrastructure and Transport/photo AC

自動車整備業界に与える影響

いいことばかりのように思えるが、まず実施する側が大変で、機器を揃えて登録業者になってIDを発行してもらう必要がある。使う機器はただ車体とつながるだけでなく、専用サーバーへのアクセスが不可欠なので指定品を使う必要があるため、導入コストはかさむ。ただでさえ経営に苦しむ整備工場が多いだけに、これを機に廃業する工場もあるほどだ。ちなみに専用機器はエラーデータの消去はできないので、一般的な読み出し機器も必要となるので、デジタル化への対応は大変だ。

機能チェック以外のメリットは、サーバーに実際の検査データが記録されるため、工場で点検をして問題ない場合、そのまま車検ラインに持ち込めば点検時のデータを照合すればいいので省略することができること。もちろんこれは登録した業者のみに適応される。

一方、ユーザーにとっては普通に使っていたり、ちゃんと修理がされていればとくに身構える必要はない。しいていうなら手数料が400円かかることで、これは対象車両だけでなく、全車から徴収される。古いクルマはやらないのでなぜ? と思うが、環境整備に使われるというので、すべてのクルマから徴収されることになっている。

ユーザー車検はOBD車検開始後も利用可能

そして気になるのがユーザー車検だ。個人では専用機器はないし、認証のIDもないことから、ユーザー車検はもう不可という話も出ていたりするが、実際は車検ラインで検査官が測定してくれるので問題ない。つまり、ほかの項目のように確認してもらって、OKなら合格。ダメなら修理や調整をして再受検するだけなので、今までと同じで身構える必要はない。また事前にチェックしてくれるいわゆる予備検査場も資格をもつところがあるにはある。

注意したいのは、ディーラーに行ってOBD検査の部分だけお願いするのはNGとされているということ。技術的には可能ではあるのだが、その後、どうなるのかわからないので、国土交通省の検討会では断る方向とされている。問題があれば今までと費用も含めてあまり変わらない。ちゃんとしていない場合は大掛かりな修理になることも考えられるので、中古車を選びにも影響を与えそうだ。

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