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フェラーリ「308GTB」がなんと3700万円に! FRPボディの「ヴェトロレズィーナ」に「金フェラ」だったことが高額の理由!?

フェラーリ「308GTB」がなんと3700万円に! FRPボディの「ヴェトロレズィーナ」に「金フェラ」だったことが高額の理由!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

純正色のレアなボディカラーのおかげ? 3700万円のハンマープライス

このほどRMサザビーズ「Monterey 2024」オークションに出品されたフェラーリ 308GTB ヴェトロレズィーナは、シャシーナンバー「20695」。もともとは旧西ドイツ向けのヨーロッパ仕様として製造され、1977年2月14日に、ヘッセン州ハダマールに住むベルナルド・クマー氏へと、新車で納車されたものとのことである。

カラースキームは、「オーロ・キアーロ(ライトゴールド)」のボディカラーに「タン・レザー・インテリア」の組み合わせ。つまりは現在と同じ仕立てで、カーステレオや純正エアコンは装備されていなかった。

この308GTBは、1980年代にヨーロッパからカリフォルニアへと移り、カリフォルニア州バークレーに本拠を置くフェラーリ・レストアラーの第一人者、パトリック・オッティス氏をはじめ、多くの著名なフェラーリ愛好家のもとを渡り歩くことになる。

2009年、このクルマはカナダに移り、オンタリオ州トロントの「ロックス・オートモーティブ・レストレーション」社に委託されて、新車同様のコンディションに戻すためのフルレストアに着手。308のスペシャリストとして、カナダのフェラーリ界で高い評価を得ているというロックス社は、約1200時間をレストアに費やしたことがわかっている。

そのレストアが完了したのち、2018年にニューヨーク州ワトキンス・グレンで開催された「フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカ・アニュアル・ミーティング」に持ち込まれた。そこでは審査で99.5点を獲得し、「プラチナ賞」および「コッパ・ベッラ・マッキナ」を受賞、さらにショーの最優秀「3シリーズ」フェラーリに選ばれたとのことである。

レストア後の走行距離は1000km未満と報告されており、純正ポーチ付きのマニュアル一式、純正ツールキット、ジャッキ、サービス履歴を示すインボイスやレストア前/レストア中の写真を含むヒストリーファイルが付属している。

「ヴェトロレズィーナ」の生産台数は712台と少ない

現在の国際クラシックカー・マーケットにおいて、フェラーリ308GTB/GTSとその発展モデルたちが「クラシック・フェラーリ入門篇」として高い人気を得ていることは、もはや誰もが認めることであろう。

そして、同じ308GTBシリーズの中でもスチールボディに独ボッシュKジェトロニック式インジェクションを組み合わせた「308GTBi」のマーケット相場価格は比較的安価で、スチールボディ+キャブレター仕様の「308GTB」と、気筒あたり4バルブヘッドを与えられた最終型「308GTBクアトロバルボーレ」がそれに次ぐ相場感となっている。

それに対して「ヴェトロレズィーナ」は、わずか712台(ほかに719台説など諸説あり)とレアであること、また、キャブレター仕様のエンジン+軽量なFRPボディを持つことから、一連の308GTBの中でも最もピュアと目されていることも相まって、多くの場合でもっとも高価な308GTBと見なされているようだ。

今回のオークション出品にあたり、RMサザビーズ社営業部門は現オーナーとの協議のもと、20万ドル~27万5000ドル(邦貨換算約2949万円〜4042万円)という、昨今の「ヴェトロレズィーナ」人気を物語るようなエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

そして、モントレー市内の大型コンベンションホールを会場に行われた競売では、順当にビッド(入札)が進んだようで、終わってみれば25万7600ドル、日本円に換算すれば約3700万円でハンマーが落とされるに至った。

この落札価格は、昨今の308GTB ヴェトロレズィーナの流通価格と比較しても、ちょっと高め。その理由として推測されるのは、レストアされているとはいえ希少なボディカラー/インテリアの仕立てに、新車時のオリジナルがたしかに残されているという事実が大きく反映していることにあると思われるのだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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