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ベントレー新型「フライングスパー スピード」デビュー!「4ドアスーパーカー」にふさわしいパフォーマンスとラグジュアリーなインテリアを解説します

ベントレー フライングスパー スピード:新型フライングスパーはベントレー史上最もパワフルなセダンとなった

新型フライングスパー スピード登場! ベントレー史上最もパワフルな4ドア

ベントレーは新開発の最高出力782ps、最大トルク1000Nmの「ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド・パワートレイン」を搭載したブランド史上最もパワフルなサルーンである新型「フライングスパー スピード」を発表しました。0-100km/h加速は3.5秒、電気のみでの航続距離は76km、そしてCO2排出量33g/kmを実現しました。パフォーマンスとサステイナビリティを両立したこの新型の詳細を見ていきましょう。

ベントレーが誇る「初の4ドアスーパーカー」

ベントレーは同社初の4ドアスーパーカー、新型「フライングスパー スピード」を発表した。このモデルは、究極のラグジュアリーパフォーマンスセダンとして20年近くにわたり評価されてきたモデルの第4世代に当たる。

最初にパフォーマンスを重視した「スピード」バージョンとして登場した新型フライングスパーは、ベントレーの新しい「ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド・パワートレイン」を搭載しており、並外れたパフォーマンスの幅を持つ。ゼロ・エミッション・ゾーンや市街地走行に最適で、CO2排出量は従来のフライングスパー スピードより90%低減されている。よりダイナミックなドライビングを楽しみたい場合は、ベントレーV8エンジンの最高出力782ps(現行モデルより147ps向上)とEモーターを組み合わせることで、0-100km/h加速を3.5秒でクリアするセンセーショナルなパフォーマンスを発揮する。前モデルより0.5秒も速くなり、パフォーマンスと、洗練された優雅さと贅沢さを兼ね備えた新型フライングスパー スピードは、ベントレーが主張する「初の4ドアスーパーカー」の名にふさわしいものである。

エクステリアデザインの大部分は、2019年に発表された3代目フライングスパーでお馴染みの、筋肉質でありながらエレガントなデザインを踏襲しているが、実質的な変更が行われるのはその内部である。

インテリアでは、新しいステッチオプション、ドアとピラーに追加された3Dダイヤモンドハイド、インテリジェントエアイオナイゼーションや4席すべてのシートの自動姿勢調整などのウェルネス機能が追加され、すでに極上のフライングスパーキャビンがさらに進化した。また、「My Bentley App Studio」の導入により、ドライバーの指先に便利なアプリケーションの数々がもたらされる。

高性能、低排出ガス

フライングスパー スピードのウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド・パワートレインは、最高出力600psの4.0LツインターボV8と最高出力190psの電気モーターを組み合わせ、8速デュアルクラッチトランスミッションが巧みに組み込まれている。スポーツモードでは、このパワートレインは最高出力782ps、最大トルク1000Nmを発揮し、Eモーターの瞬時トルクがV8のカリスマ的なクロスプレーンビートを補完する。従来のスピードモデルと比較して、新型フライングスパー スピードは低回転域から高トルクを発揮し、ピークトルクと回転域全域での出力が向上している。

システムトルクは、従来のW12エンジンを搭載したフライングスパー スピードと比べて11%以上向上し、900Nmから1000Nmになった。システム出力も659psから782psへと19%向上し、新型フライングスパーはベントレー史上最もパワフルなセダンとなった。

新しい600ps、800NmのV8エンジンは、従来のバキュームシステムを廃し、燃料噴射圧を従来の200barから350barに引き上げることで、よりクリーンな燃焼と排出ガスの改善を実現した。Eモーターによってターボラグが解消されたため、ツインシングルスクロールターボチャージャーが採用され、シンプルな構造で、より高温で作動することで排出ガスを最小限に抑えている。そのため、電気モーター使用時にはエンジンを完全にオフにできるため、気筒休止ハードウェアは必要ない。

純粋なEVモードでは、Eモーターは190psの最高出力と450Nmの最大トルクを発揮し、あらゆる交通状況に十分対応できる。一方、25.9kWhのバッテリーは、電気のみで使用可能な航続距離を最大76km提供する(EUドライブサイクルの場合)。V8とEモーターを組み合わせた新型フライングスパー スピードは、合計航続距離829kmを誇る。フル電動モードは最高時速約140km/h、スロットル開度75%まで可能である。充電器とバッテリー容量の大幅な改善により、バッテリーはわずか2.3時間でフル充電が可能で、ピーク充電出力は11kWである。  

パワートレインシステムは、ピュアEV、電気ブースト、回生ブレーキを選択できるほか新型フライングスパー スピードの重要な機能である「チャージモード」では、エンジンが駆動輪に動力を伝えると同時にバッテリーを充電する。

コンフォートモードでの乗り心地が大幅に向上

ベントレー・パフォーマンス・アクティブ・シャシーはフライングスパー スピードに標準装備されている。この洗練された新しいセットアップには、ベントレーダイナミックライドとAWS、電子制御式リミテッドスリップ・ディファレンシャルが含まれ、新世代のESC制御ソフトウェアにより、さまざまなドライビングスタイルに対応し、あらゆるコンディションで信頼性の高いトラクションを発揮する。新型車のややリアに比重をおいた重量配分は48.3:51.7となり シャシー・システムとESCは、機械的に最適化されたプラットフォームで最終的な改良を施している。このシステムでは、センター・ディファレンシャルを介したアクティブ・トルク・ベクタリングがフロントからリアへ、またブレーキを使った各アクスルへの精密なベクタリングが採用されている。

新しく進化したツインバルブ・ダンパーにより、伸側減衰と圧側減衰を個別に制御することが可能となり、コンフォート、ベントレー、スポーツの各モード間でダイナミック性能を明確に区分することができる。先代のスポーツモードのボディコントロールはそのままに、コンフォートモードでの乗り心地が大幅に向上している。

「光の彫刻」技術を採用したインテリア

新型フライングスパー スピードのパフォーマンス志向のキャラクターは、最新のデザイン強化によって強調されている。ダークティントで仕上げられたブライトウェアがエクステリアにスポーティでテクニカルな雰囲気を与え、スピード専用の新しいグリル、フロントバンパー、リアディフューザーが新鮮で目的意識の高い外観を生み出している。スタイリング仕様のエアロパッケージはボディカラー仕上げとなったが、カーボンファイバー仕上げを選択することもできる。

ドアに装備された新しいLEDウェルカムランプは、フロントドアを開けるとベントレー ウイングのロゴがアニメーションで地面に映し出される。このベントレーの「光の彫刻」技術の新たな展開は、マリナーによるコーチビルドのバトゥールクーペでの初採用に続くものである。

新しい22インチの10スポークホイールは、2種類の仕上げ(グレー塗装とブライト・マシンド仕上げ、ブラック塗装)が用意され、その他にもブラック塗装、ダークティント仕上げ、ペールブロガー・サテン仕上げの2種類の22インチデザインが用意されている。

3Dダイヤモンドキルティングとシート中央部のパーフォレーションパターンを変更した新デザインのシートが採用されている。ドアインナーとBピラーには、触感に優れたプレシジョン3Dダイヤモンドハイドが施されている。エクステリアのダークタインブライトウェアを補完する新しいダーククローム仕様(オプション)のトリムは、現代的な美しさを提供し、キャビンに控えめな個性を与える。これは、ドアハンドル、スイッチ、スピーカーグリル、その他キャビン内の多くの部分に適用される。また、12.3インチの高精細ディスプレイ、3つのアナログダイヤル、またはハンドクラフトベニアを選択できる、高い評価を得ているベントレーローテイティングディスプレイも引き続きオプションとして提供される。

特注ペイントにくわえて歴代モデルから好きな色も選べ、レザーは700色の組み合わせが可能

101色からなるペイントレンジは、ベントレーの歴代モデルから好きな色を選べるほか、特注のペイントマッチングも可能。インテリアでは、22色のプライマリーハイドカラー、11色のセカンダリーハイド、4色のスプリットカラーにより、コントラストステッチやパイピング、特注の特徴を加える前に、レザーだけで700以上の色の組み合わせが可能である。レザーに加え、8種類のウッドパネルと、さらに3種類のテクニカル・フィニッシュが用意され、これらはシングル・フィニッシュまたはデュアル・フィニッシュとして選択できる。

新型フライングスパーには3種類のオーディオシステムが用意されている。標準システムは10スピーカー、650Wで、バング&オルフセンの1500W、16スピーカーシステムにはイルミネーテッドスピーカーグリルが装備され、ライフスタイル志向の顧客向けとなっている。真のオーディオマニア向けには、フロントシートに内蔵されたアクティブ・バス・トランスデューサーと8つのサウンドモードを備えたネイムの2200W、19スピーカー・システムが用意されている。フロントガラスとサイドガラスには防音合わせガラスを採用し、非防音ガラスと比較して車外騒音を9デシベル低減した。  

利便性、ウェルネス、安全性

4代目フライングスパー スピードは最新の電気アーキテクチャーを採用し、インフォテインメントとドライバー支援技術を大幅に進化させた。その結果、ウェルネス、ドライバーアシスタンス、インフォテインメントシステム、コネクテッドカーサービスにおいてシームレスな体験が可能になった。

フライングスパーでは初めて、オプションのウェルネス・シーティング仕様が4席すべてに設定された。これにはシート・オートクライメート&ポスチュラル・アジャストが含まれ、ゾーン化された暖房と換気によって最適な体温を測定・維持し、走行中に乗員の筋肉にかかる圧力を心地よくシームレスに変化させ、疲労を最小限に抑える。

ディスプレイ(運転席のインストルメントパネルに表示)は、セミ・アシストモードでの運転を可能にし、サポートする。車両が周囲の環境を理解することで、インテリジェント・パーク・アシスト(速度制御を備えた最新世代のセルフ・パーキング・システム)が可能になる。

ドライバーと同乗者のウェルネスと快適性は、空気イオナイザー、新しい粒子状物質フィルター、車外と車内の空気の質を表示するディスプレイを含む空調システムによってさらに向上している。また、このシステムは衛星ナビゲーションと同期し、車内の空気の質を改善する必要がある場合(例えば、トンネル内では車内の空気を再循環させるなど)を知ることができる。

ワイヤレス接続でのApple CarPlay、Android Auto、無線での地図更新など、必要不可欠な機能も改善されている。

Spur of The Moment

新型フライングスパーの発売を記念して、ベントレーは老若男女を問わずモータースポーツ界のアイコンとチームを組んだ。1996年のF1ワールドチャンピオンであるデイモン・ヒルが、新星でありWilliams F1アカデミーのドライバーであるリア・ブロックとともに、このクルマのサーキット上での能力をダイナミックに表現している。動画の最後には、同じF1のOBであり、現在は放送界の伝説となっているマーティン・ブランドルがサプライズで登場する。

AMWノミカタ

新型フライングスパーが発表されたが、デザイン上の変更はほぼないと言って良い。コンチネンタルGTスピードの発表会で丸目4灯を廃止するなど新しいデザインの方向性を明確に示したにもかかわらず、GTより後に出たモデルがデザインの変更を行わなかったことにがっかりした人も多くいるのではないだろうか。ベントレーは「先代のデザインを踏襲」と言っているが、ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド・パワートレインを搭載することに注力し、デザインの変更まで詰められなかったという印象が残る。

しかしながら、新型パワートレインやパフォーマンス・アクティブ・シャシーの採用により格段にパフォーマンスが向上し、最新の電気アーキテクチャーにより快適性やウェルネスが格段に向上したこのモデルの魅力は大きい。個人的には3代目の丸目4灯のデザインが好みなので、エクステリアはそのままにその内側が大きく変化したこのモデルは理想的な進化に思える。サルーンモデルを選ぶ人はエクステリアのデザインや目新しさ以上に車内で過ごす時間の質を重んじる。そんな顧客の要望を意図的に、そして最大限に反映したのがこのモデルなのかもしれない。

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