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「ウルフ・カウンタック」を応用した「LP400S」が9000万円弱で落札! ランボルギーニ本社のポロストリコでレストアされた由緒正しい個体でした

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

ランボルギーニ・ポロストリコ監修のレストアで、評価もワンランクアップ?

今回のオークション出品車であるランボルギーニ カウンタック LP400Sは、もともとヨーロッパ仕様として生産された個体とされる。

赤いボディカラーにベージュのレザーインテリアの組み合わせで仕上げられ、スイスに新車として納車。初代オーナーのもと、20年以上の長きにわたって過ごしたという。2005年には2代目の名義人となる個人オーナーが譲り受け、しばらくののち3代目オーナーに譲渡される。

長年所有していたファーストオーナーは、スイスのランボルギーニのスペシャリストに依頼して、エンジンのオーバーホールを行っていた。でもそれを除けば、この個体はほとんど修復されておらず、オリジナルのコンディションを保っていたと伝えられている。

3代目のオーナーは、10年以上にわたって約5000kmを走行。その間、ランボルギーニの正規ディーラーによって定期的に整備されていたものの、2015年にはフランスの著名コレクター、ジャン・ギカス氏がカウンタックの4番目のオーナーとなる。

ところがその6年後、このシャシーナンバー1121296は、同じRMサザビーズの欧州本社がフランスで開催した「ギカス・コレクション(Guikas Collection)」オークションに出品。その際には43万2500ユーロ、当時の日本円換算で約5550万円というハンマープライスとともに落札され、今回の出品車が新たなオーナーとなったとのことである。

高額を費やしレストアが行われた

イタリアにルーツを持ち、長年のランボルギーニ愛好家でもあるという現オーナーの家族は、長年にわたってさまざまなヒストリック・ランボルギーニを修復した実績もあり、1968年にフェルッチオ・ランボルギーニ本人によって納車されたといわれる、最初に生産された「エスパーダ」の1台を所有していると主張している。

彼はこのLP400Sを譲り受けた際、エクステリアとメカニズムに手を加えることを決心した。そして「ランボルギーニ・ポロストリコ」のアレンジにより、「トップモーターズ・サルヴィオーリ」社と、同じイタリアの職人「カロッツェリア・メスキアーリ」社に委託され、約7万1000ユーロがレストアに費やされたという。

これには、オリジナルペイント総剥離の修復と、カウンタックとしては希少で望ましい色である「タヒチ・ブルー」での再塗装が含まれていたが、そのかたわらオリジナルのベージュのインテリアはそのまま残されることになった。

今回のオークション出品に際して、RMサザビーズ北米本社の営業部門は、55万ドル~70万ドル(約8140万円〜1億360万円)という、「ポロストリコ」承認済みのLP400Sとしては順当なものと映るエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

そして、モントレー市内の大型コンベンションセンターで挙行された競売では、ビッド(入札)が順調に伸びたようで、終わってみれば61万ドル、現在の為替レートで日本円に換算すれば約8620万円で、競売人の小槌が鳴らされることになったのである。

為替レートの違い、またユーロとUSドルの違いはあれども、3年前の「ギカス・コレクション」オークションでのハンマープライスと比較すると、ランボルギーニ・ポロストリコの関与による修復などの要素により、しかるべき評価アップがなされた証明ともいえるだろう。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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