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昭和の「俺たち」が夢を見ていた時代…ホンダ「シビック」の「RS」が「レーシング・スポーツ」ではなくて「ロード・セーリング」だったのもロマンです【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

  • ホンダ シビックRS:外観ではブラック塗装のホイール(4.5インチリム)とホイールリング、キャンディレッドのセンターホイールキャップ、155SR13ラジアルタイヤ、砲弾型フェンダーミラーなどが特徴
  • ホンダ シビックRS:室内ではスポーティな意匠が施されたバケットタイプのフロントシートに目がいく
  • ホンダ シビックRS:表紙はなんと11行の韻文調のコピーが記されているだけだった
  • ホンダ シビックRS:初代シビックRSに代わって登場したのが、1500cc・3ドアの「SLR」だった
  • ホンダ シビックRS:内外観のさり気ない専用装備もベース車とのひと味違うセンスを際立たせていた
  • 1974年10月にデビューしたホンダ「シビックRS」

RSは「ロードセーリング」を意味していた

2024年9月12日、ホンダは「シビック」をマイナーチェンジし、6速MT専用モデル「RS」を発表しました。シビックRSといえば、初代に設定されたスポーティモデルを思い出す人も多いかと思います。そこで今回は、あらためてカタログで振り返ります。

表紙には11行の韻文調のコピーが記されていた

じつは筆者自身、今から50年前の1974年10月に登場したホンダ「シビックRS」のカタログを実際に手にとって見たのはごく最近になってのこと。SB1型初代「シビック」の当時のカタログそのものは他にも何部か手元で保管していたが、RS単体の4つ折のカタログの存在は、昭和の名車を取り上げたムック本の記事などで紹介されているのを見て知っていた程度だった。

だが、やっと実際のカタログを手にして「ほほぉ」と感心させられた次第。表紙はなんと11行の韻文調のコピーが記されているだけだった。反射的に連想したのは中村雅俊らが出演していたTVドラマ『俺たちの旅』のエンディングで、中村が歌う「ただお前がいい」に乗せて、画面に「どんなに辛くても俺たちだけの道をどこまでも歩んでいきたい……」などといったメッセージが流され、多感な高校時代を送っていた筆者など「そうだよなぁ」とTVの前で思わせられたことを思い出す。

『俺たち……』の放映は1975年から1976年で、シビックRSの登場より後のことだった。けれど1970年代後半の、何かあると誰しも夢を求めて旅に出たくなるような当時の空気感の中で、シビックRSのカタログの表紙も『俺たち……』のエンディングも、同時代の共通したトーンで生まれたのかも、とも思う。

ところでこのカタログの表紙にはRSのグレード名の意味を示す「ROAD SAILING」の文字があり、その下には小さく「あたかも、道路を帆走するように、堂々と、ゆったりと、遠くへ」とも記されていた。言われていたように、決して「レーシング・スポーツ」ではなかったところがポイントだった。

現代でも十分に軽快な気持よさが味わえる性能を誇る

そこで1200シリーズに追加されたこのRSでは、専用エンジンの搭載がまず特徴だった。水冷直列4気筒OHCで1169ccの排気量をもち、CV型ツインキャブレターにより最適な混合気と敏捷なアクセルレスポンスを実現。またカタログでも紹介されているが、クロスフロー式バルブ配列、半球型シリンダーヘッド、ガスの流動抵抗の少ない吸・排気ポートなどにより優れた燃焼効率、余裕を引き出した。

スペックは最高出力76ps/6000rpm、最大トルク10.3kgmだったが、フラットなトルク特性で中・低速での粘り強さも発揮。カタログには0-200mが10.8秒、0-60km/h加速が3.8秒(どちらも2名乗車時)とあるが、高速道路への流入や追い越しなどでもいかんなく性能を発揮した。

ちなみにトランスミッションの各々のギヤ比は、主要諸元表には1速:3.000、2速:1.789、3速:1.182、4速:0.846、5速:0.714とある。

ごく短時間だったが、少し前に筆者はこのRSのレストア車をドライブする機会に恵まれたが、5速MTと695kg(3ドアは705kg)の軽量ボディに安定感、接地感のいい4輪ストラットサスペンションなどが奏功して、現代でも十分に軽快な気持よさが味わえるクルマだったことを取材で実感した。

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