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シューマッハがテストドライブした由緒正しいランボルギーニ「ディアブロVT」の価格は? 5000万円でも落札されず…ひょっとしたら今が買い時!?

シューマッハがテストドライブした由緒正しいランボルギーニ「ディアブロVT」の価格は? 5000万円でも落札されず…ひょっとしたら今が買い時!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

ランボルギーニ・ポロストリコの承認も取得した個体ながら……

このほどRMサザビーズ「Monterey 2024」オークションに出品されたランボルギーニ ディアブロVTは、シャシーナンバー「12970」。

1993年12月3日に完成したとされるこの個体は、「シルバーミスト」のボディに「ネロ(黒)」のレザートリムの組み合わせで仕上げられ、電動ウインドウやエアコン、日本の「アルパイン」社製カセットステレオシステムが装備されていた。

サンタアガタ工場からラインオフしたのち、シャシーナンバー12970はランボルギーニ本社所属のプレスカーの1台となり、多くのテストやトライアルに使用された。1994年、F1チャンピオンのミハエル・シューマッハがドイツの雑誌『Auto Bild』でステアリングを握ったことは、当時大きな話題となったようだ。

テストコースにて、同時代のほかのスーパーカーを圧倒したシューマッハは、このクルマのパワーデリバリーとサウンド、ハンドリングに感銘を受け、「見た目よりも文化的」とコメントした。シューマッハのドライビングについて記した当時のプレス資料の切り抜きも、今回の販売に含まれている。

ランボルギーニ広報部から個人オーナーの手に渡って以来、このクルマの名義人はわずか2人とされているそうで、現時点でも極めて良好な保存状態が保たれているという。

2021年3月には、オランダ・ディルクスランドにある「アンドレ・ノウト・クラシックカー・サービス」社の技術者によって、かなり大規模な整備が施されたとのこと。

この時にはエンジンオイルとフィルターの交換、新品のスパークプラグ、油圧センサー、ウォームアップ・レギュレーター、エンジンとインジェクションギャラリーのクリーニングなどが行われたと記録されている。さらに最近では、2024年7月に「ランボルギーニ・マイアミ」社によるサービスが行われ、新品のピレリP-Zeroタイヤが装着された。

このサービスが施行されたのち、ディアブロは「ランボルギーニ・ポロストリコ」に提出され、同チームによる正統性の認定を受けた。

また、純正レザーウォレットにくるまれたサービスブックレットやファクトリーパンフレット、オーナーズマニュアルコレクションも、今回の販売に際して添付されることになっていた。

かなり強気な落札価格を設定していたが……

このオークション出品に際して、RMサザビーズは35万ドル(邦貨換算約5000万円)~45万ドル(邦貨換算約6430万円)という、以前のディアブロVTの相場価格を知るものにとっては、かなり強気にも映るエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

ところが、モントレー市内の大型コンベンションセンターで挙行された競売では、出品者側が期待していたほどにはビッド(入札)が集まらなかったようで、前もって規定されていたリザーヴ(最低落札価格)には届かず、残念ながら流札に終わった。

ちなみに、RMサザビーズにとっては最大のライバルでもある英国ボナムズ社が、この1カ月半ほど前にスイスで開催したオークションでは、同じディアブロVTでもさらに希少な「ロードスター」が、設定されたエスティメート下限を大きく割り込む27万6000スイスフラン、日本円に換算すれば約4700万円で落札されたばかり。

近年の国際マーケットを観察していれば、たしかにカウンタックの市場価格に引き上げられるかたちで、ディアブロの相場もじりじりと上昇してはいるものの、今回のような思い切った価格設定は、まだ時期尚早と判定されたということなのかもしれない。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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