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「レガシィを極めた」3代目…「熱く真摯なクルマ作りへの思い」をもった開発チームが一丸となってつくった、スバルの傑作でした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

全長・全幅は変わらずホイールベースと全高のみ拡大

3台目レガシィの実車は初代、2代目と全長・全幅とも変わらず5ナンバーサイズのボディを堅持。ホイールベースは2代目+20mmの2650mmとした。

そのうえで初代以来のセミハイルーフを採用、ハットルーム(+16mm)、エルボースペース(+23mm)など居住空間を拡大したほか、リアサスペンションに新たにマルチリンク式を採用することでカーゴルームもより実用的なスペースを確保した。

外観はドアガラスをサッシュレスとし、リアまでぐるりと回したウインドウグラフィックを採用するなど、レガシィらしさが引き継がれた。

水平対向エンジンは「フェーズ2」と呼ばれたものを搭載。当初は2L・DOHC 16バルブ2ステージターボ(2機種)をはじめ、2.5L・DOHC 4カム16バルブ可変バルブタイミング、2L・DOHC 16バルブ4カム可変バルブタイミング&可変吸気システム、2L・16バルブ・リーンバーンの計4機種を設定。4WDシステムには不等&可変トルク配分電子制御4WDのVTD-4WDをGTに設定したほか、グレードによりアクティブトルクスプリット方式、ビスカスLSD付きセンターデフ方式などが使い分けられていた。このうちの2.5Lはランカスターのほか、B4 RS25にも。

ポルシェデザインと共同開発で誕生した特別仕様車もあった

一方で1998年12月に登場したセダンは、この世代からBOXERエンジンと4WDを掛け合わせた「レガシィB4」の車名で登場。上級モデルに設定されたRSKの5速MT車には、ツーリングワゴンGT-Bと同じ280ps/35.0kgmの2L・DOHC 16バルブ2ステージターボを搭載した。

そのほか、この3代目レガシィでは、バリエーションの拡充も図られた。3L水平対向6気筒エンジン搭載車でいうと「ランカスター6」(2000年5月)、「ツーリングワゴンGT30/B4 RS30」(2002年1月)などがある。またポルシェデザインと共同開発で誕生した特別仕様車の「ブリッツェン(Blitzen)」があり、1999年12月、B4 RSKベースに発売されたのを皮切りに、ツーリングワゴンでも展開。3Lモデルの「Blitzen 6」など、最終年の2003年まで、年次ごとに発売された。STIの手になるコンプリートカーの「S401 STi Version」などもあった。

また年次改良モデルごとの進化も見逃せない。その内容は多岐に及んだが、たとえばアルミ製ボンネットの採用(2000年のB4 RSKなど)などはその一例。それと2001年5月のマイナーチェンジでは、2代目から引き継いだフロントグリルの専用のエンブレムが、初代レガシィ以来の「六連星」に戻されたのが見逃せない。スバルの自車への思いが深まって感じられた瞬間だった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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