警告灯が点いていても意外に気が付かない
マニュアルトランスミッション車が多かった昭和の時代、トラブルあるあるのひとつにサイドブレーキの引き忘れがありました。また引いていても甘かったり、動き出して慌てたという経験をしたことのある人もいるでしょう。教習所では万が一を考えてサイドブレーキだけでなく、1速もしくはバックに入れて駐車するように教えられたものです。逆に、サイドブレーキを解除し忘れたまま走り出すのもありがちですが、場合によっては手痛い出費となってしまいます。
ハイパワー車だと気づきにくいことも
昔のサイドブレーキは効きが甘くて、解除するのを忘れていても、なんか走りが重いなと思いつつも、そのまま走れることも珍しくなく、非力な軽自動車ぐらいならすぐに気がつくものの、ハイパワー車だと気がつかないことも。警告灯が点いていても意外に気がつかないものだ。ただ走りが重たいだけならいいが、引きずって走り続けるということはブレーキをかけっぱなしで走るのと同じなので、パッドやシューが焼けてしまい、ときには煙が出ることも。そうなると、新品に交換するしかなく、無駄な出費になってしまった。
サイドブレーキの仕組みにはいくつかあって、ひとつはディスクブレーキやドラムブレーキをそのまま使用するもの。またディスクブレーキの中に、サイドブレーキ専用のドラムが仕込まれたものもあった。とくに後者はドラムのサイズが小さくなってしまうので効きが甘く、引きずりやすかった。
近年のクルマでは警告音で知らせてくれる
最近では、電動サイドブレーキが普及してきていて、かけた状態で「D」に入れていても走り出さないようになっているし、アクセルを踏めば解除されるので引いたまま走ることもなくなった。また自動ホールドが付いているならオンにしておけば、引いたり、戻したりの操作はすべてクルマにお任せ。アナログ方式もいまだ健在だが、メーター内の警告灯が点くだけでなく、警告音も発せられるので、以前よりは気が付きやすくなっている。
今後も電動パーキングブレーキ(EPB)は増えていくのは確実なので、昔のような引いたまま走り出したりするトラブルはなくなるだろう。ただ、スイッチを押すとかかるのか、引くとかかるのかはメーカーによって異なるので、統一してほしいところではある。ちなみにサイドブレーキのメンテナンスも面倒になっている。